浜焼きさば、丸焼きさば(はまやきさば、まるやきさば)
福井県浜焼きさば、丸焼きさば(はまやきさば、まるやきさば)
分類(大)
水産
分類(小)
その他水産加工品
主な使用食材
マサバ
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主な伝承地域
若狭地域、大野市、小浜市
食品概要(特徴・種類)
浜焼きさばは、取れたてのさばに串を刺し、丸ごと焼き上げたもので、「丸焼きさば」や単に「焼きさば」とも呼ばれる。大野市では半夏生(はんげっしょ、はんげしょう)と呼ばれる7月2日あたりに食べるのが習わしとなっており、「半夏生さば」と呼ばれる。
夏場に傷みやすいさばを保存するために生み出されたのが、さばの背を開いて串に刺して丸ごと焼き上げるという調理方法である。新鮮なさばは脂分や水分が多く、焼いている途中に身がはじけやすい。また、生焼けになると保存性が悪くなるため、開き方や焼き加減には技術がいる。
若狭地域ではしょうが醤油で食べるのが一般的だが、寿司ネタとしても利用される。
歴史・文化、関連行事
若狭地域は、古くは飛鳥・奈良時代から、朝廷のあった京の都に食材を納めることを認められた「御食国(みけつくに)」と呼ばれていた。若狭湾で水揚げされた魚介類は、徒歩で魚を運ぶ「背負い」によって京都まで運ばれた。その代表的な物資がさばであったことから、その行程は「鯖街道」と名付けられた。都まで運搬する際に、傷みやすいさばを保存する方法として考えだされたのが、丸ごと焼き上げる浜焼きさばである。
嶺北地方の大野市周辺では、夏至から数えて11日目の7月2日、半夏生と呼ばれる日に、この「丸焼きさば」を食べる風習が残っている。その昔、大野藩の殿様が、田植えで疲れた農民の体をねぎらい、栄養補給のために「丸焼き鯖」を配ったのが始まりと言われる。
若狭地域の一部では、休業(やすんぎょう)(五月の終わり頃の田植えが終わった後の休み)に柏餅と焼きさばを親戚に配る習慣が残っている。
製造方法
取れたてのさばを背開きにして、竹か茅 (かや)の串で頭から尾にかけて縫うように刺す。火加減に注意しながら炭火で25分程かけてじっくり焼く。
保護・継承の取り組み
夏の間の名物として鮮魚店、飲食店やスーパーマーケットに並ぶ。炭火で焼かれた香ばしい匂いや脂ののったさばのふっくらした身を目当てに、県外からも多くの人が訪れる。さばの水揚げ量が減ってしまったが、最近では養殖にも力を入れており、小浜市では2016年6月より養殖を始めた。また、真空パックの冷蔵品として、インターネットでも購入ができる。
主な食べ方
しょうが醤油や大根おろしをかけて食べる。また、焼きさばの頭と骨でだし汁をとったあと、きのこやちくわ・豆腐などを入れ、さばの身をほぐし入れて煮て、たっぷりのねぎを入れた「なまぐさ汁」は小浜市東部の新保区の郷土料理として伝わる。高浜町では、冠婚葬祭に焼きさばの入ったちらしずしが食べられている。
アレンジレシピ:焼き鯖の押しずし(10人分)
材料
米
1升(うるち米9合、もち米1合)
出汁昆布
適量
焼き鯖
1本
(ア)炒り煮調味料
土生姜:1かけ、しょうゆ:大さじ3、
砂糖:大さじ2、みりん:大さじ2
人参
120g(1本)
かんぴょう
20g
かまぼこ
200g(1本)
干し椎茸
5枚
卵
3個
(イ)すしめし用調味料
酢:1カップ、砂糖:1カップ弱、塩:大さじ1
作り方
米は出汁昆布を入れて固めに炊く。
焼き鯖はほぐし、(ア)で炒り煮にする。
かまぼこ、かんぴょう、人参は適当な大きさに切って、しょうゆと砂糖適量で薄味に煮ておく。
椎茸は千切りにして甘辛く煮ておく。
炊きあがったご飯に、3と(イ)を一緒に入れて、ご飯の粒をつぶさないように混ぜる。
卵は薄焼きにし、錦糸にする。
押し箱にご飯、錦糸卵、椎茸、ご飯、さばの順に押して抜く。
提供元:「ほっとするね ふるさとの味」(福井県)
https://www.pref.fukui.lg.jp/doc/016250/furusatonoaji_d/fil/003.pdf