
油麩(あぶらふ)

宮城県油麩(あぶらふ)
分類(大)
農産
分類(小)
穀類
主な使用食材
小麦粉
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主な伝承地域
県内全域(登米市)
食品概要(特徴・種類)
宮城県北部と岩手県南部で食されてきた、油で揚げた麩のこと。油で揚げているので香ばしく、独特の風味と口当たり、ボリュームがあるのが特徴。精進料理にルーツをもつ高タンパクな食材で、近年、肉が苦手な人の食事やベジタリアン料理、マクロビオティック食で注目されている。また、保存が利くので非常食としての活用を促す声もある。
歴史・文化、関連行事
冷蔵技術がなかった昔、お盆の精進料理で使用する油揚げや豆腐はすぐに傷んでしまうのが課題だった。そんな中、明治の末期に登米の豆腐店が考案したのが油麩である。小麦のタンパク質成分であるグルテンを練り上げて棒状にし、植物油で揚げて作る全国でも珍しい揚げ麩であり、そのおいしさが広まると、登米市以外でも生産されるようになった。一般的な油麩は25~26cmと長く、フランスパンのような形をしている。好きなサイズにカットして使う他、カットされたものも販売されている。元々、油揚げや豆腐の保存が難しい夏に重宝された食材だったが、今は通年食べられている。
製造方法
小麦粉と水を混ぜて練り、でんぷんを水で洗い流すとグルテンが残る。生麩はグルテンにもち米粉を加えて蒸したもの、焼き麩はグルテンに小麦粉を加えて焼いたものであるが、油麩は焼き麩と同じくグルテンに小麦粉を加えたもので、棒状に成形して油で揚げて作る。
保護・継承の取り組み
近年、登米市で誕生し名物となっているのが、地元の旅館の女将が考案したとされる油麩丼である。「B-1グランプリ」に参加したことで全国にその名が知られるようになった。登米市登米町にある「油麩丼の会」では、油麩丼を提供する店のマップや作り方を公開し、普及活動を行っている。油麩丼は学校給食などでも提供されており、子ども達に人気である。
主な食べ方
油麩は、他の食材のうま味を吸い込むことで味に深みが増し、さらに、油が他の食材にしみ込むため料理にコクが出ておいしさを一層引き立てる。焼き麩と同じように煮物や味噌汁の具、うどん、炒め物などに使われてきた。
近年、登米市で名物となっている油麩丼とは、かつ丼のかつの代わりに油麩を使ったもの。鍋にだし汁や醤油、みりんなどで煮汁を作り、油麩と、彩りにみつばなどを加えて卵でとじ、丼に盛り付けたご飯にのせて食す。
また、油麩をフレンチトーストやラスクなどのスイーツにアレンジして楽しむ人も増えている。
アレンジレシピ: 油麩のトマトソースグラタン(2人分)

材料
油麩
6切れ
スープの素
1/2個
にんにく
1/2個
カットトマト水煮缶
300g
オリーブオイル
小さじ2
塩
小さじ1/4
砂糖
小さじ2
コショウ
少々
ピザ用チーズ
大さじ1
パセリ(刻んだもの)
少々
作り方
にんにくをみじん切りにし、鍋にオリーブオイルとにんにくを入れて薄く色づくまで炒める。
カットトマトの水煮を加えて手早く混ぜる。煮立つまでは中火で、その後弱火にして10分煮込む。
塩、砂糖、コショウを加えトマトソースが完成。
100mLの湯(分量外)でスープの素を溶かし、油麩を入れて10分浸してもどす。
グラタン皿にトマトソースを入れ、軽く絞った油麩をのせ、チーズをふる。
オーブントースターまたは230℃に予熱したオーブンで4~5分焼く。
チーズが溶けて軽く焦げ目が付いたら取り出し、パセリをふる。
提供元:宮城県 食産業振興課