油揚げ(あぶらげ)
福井県油揚げ(あぶらげ)
分類(大)
農産
分類(小)
豆類加工品
主な使用食材
大豆、油
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主な伝承地域
嶺北、坂井市(竹田地区他)
食品概要(特徴・種類)
福井県は全国の都道府県庁所在市および政令指定都市のうち「油揚げ・がんもどき」の家計消費支出額が、50年以上もの間1位である(出典:総務省統計局「家計調査(二人以上の世帯)品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング(2017年~2019年平均)」)。この背景には、浄土真宗の仏事や法事を背景とした消費が伝統的に根付いているためと考えられる。
「油揚げ」といえば、全国的には「薄揚げ」のことを指すことが多いが、福井県では大判で厚みのある「厚揚げ(生揚げ)」のことを意味する。店によって味は異なるが、厚みがありずっしりと重量があるのが一般的な特徴であり、各家庭で好みの味があると言われる。
古くは仏教行事や法事で振る舞われることが多く、主に煮物などに入れて食されることが多かったと考えられるが、現在はさまざまに料理され、年間を通して普段の食卓に並ぶ。
歴史・文化、関連行事
浄土真宗の信仰があつい福井県では、開祖の親鸞聖人の祥月命日(旧暦11月28日、新暦1月16日)の前後、秋から新年にかけて浄土真宗各派の年中行事である「報恩講」が各地で行われる。報恩講の期間中は、一汁三菜を基本とした精進料理である「お斎(おとき)」が振る舞われ、福井県では必ずといっていいほど油揚げがお膳に並ぶ。一枚まるごと盛り付ける地域もある。昔は、油揚げはごちそうであり、大きな油揚げは土産として持ち帰ることが慣例だったと言われている。
1805(文化2)年から1887(明治20)年までの、報恩講のための買い物記録がまとめられた「惣報恩講譲牒」には、天保期(1830~1844年)の頃に、豆腐と一緒に「種油(菜種油)」を購入している記録があることから、この頃にはすでに油揚げを報恩講で供していたことがうかがえる。
また、報恩講だけでなく法事などの行事でも使用され、豆腐や油揚げが音信(贈り物)として贈られたり、持ち寄られたりした記録もある。江戸時代、全国各地で贈り物の引換券として「酒札」や、一部の地域では「饅頭(まんじゅう)札」「豆腐札」などが使われていたが、福井県の越前では全国でも珍しい「油揚札」が使われていたと考えられている。
製造方法
木綿豆腐を低温の油に入れ、時間をかけてじっくりと揚げる。何度もひっくり返しながら、徐々に高温にしていく。
保護・継承の取り組み
現在も豆腐店やスーパーなどでさまざまな種類の油揚げが販売されている。近年ではイベントが開催されるなど、福井の油揚げを広める活動が行われている。
主な食べ方
定番の煮物をはじめ、薬味をのせて食べたりそばの上にのせたり、現在では肉の代わりにカレーに入れたりと、さまざまな料理に使われ、食されている。
アレンジレシピ:油揚げご飯(5人分)
材料
米
2カップ
水
2.5カップ
厚揚げ
2/3枚
しょうゆ
大さじ3
砂糖
小さじ1/3
酒
大さじ1
トッピング(大根おろし:100g、きざみねぎ:15g、白ごま:5g、青じそせん切り:5枚、プロセスチーズ(小さめの角切り):20g)
作り方
米は洗って30分ほど分量の水につけておく。
厚揚げは厚さを半分に切り、さいの目に切る。
炊飯器に厚揚げ、調味料を入れて炊く。
トッピングを好みでのせる。
提供元:「ほっとするね ふるさとの味」(福井県健康政策課、福井県食生活改善推進員連絡協議会)
https://www.pref.fukui.lg.jp/doc/016250/furusatonoaji_d/fil/003.pdf