あくまき
鹿児島県あくまき
分類(大)
その他
分類(小)
菓子類
主な使用食材
もち米、灰汁(あく)、竹の皮、きなこ、黒砂糖など
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主な伝承地域
県内全域
食品概要(特徴・種類)
あくまきは、端午の節句で主に食べられる鹿児島県独特の餅菓子で、ちまきと呼ばれることもある。灰汁(あく)につけたもち米を竹の皮で包み、薄めた灰汁で数時間煮て作られる。艶やかなべっ甲色と、もちもちとした食感が特徴である。
灰汁を用いることにより糊化したでんぷんが固くならず、モチモチとした食感を長く保つことができる。またアルカリ性の灰汁と竹の皮の抗菌効果により、高温多湿な鹿児島県においても長期保存できる優れた保存食となっている。
歴史・文化、関連行事
島津軍が、1592年の朝鮮出兵や1600年の関ヶ原の戦いに、日持ちのする食糧として持参したと言い伝えられている。日持ちに優れて腹持ちが良く、薩摩では長らく戦陣食・保存食として活用されていたことから、「男子が強くたくましく育つように」という願いを込めて、5月の端午の節句に食べられるようになったと言われている。
またこのようなもち米を灰汁にひたした調理法は遣唐使によって伝えられたとされ、種子島の「つのまき」、坊津の「唐人巻き」、近県である熊本県・宮崎県の一部にも見られる。さらには山形県や新潟県の「笹巻き」にも見られ、こちらはおそらく北前船による交流によって伝えられたと考えられる。
製造方法
灰汁は植物の灰を水に浸したものを濾した液のこと。上澄みを使う場合もある。樫(かし)、椎、くぬぎ、ミカンの木などの木灰、竹灰、大豆・そば・ごまのさやなどの灰が使われる。灰汁の種類により出来上がりの色・風味に違いがあるが、一般的には木灰が使用される。
もち米を灰汁に一晩浸け、ざるにあげて水を切る。それを2日間水に浸けて柔らかくした竹の皮で巻いて袋状に包み、細く裂いた竹の皮で縛る。水で薄めた灰汁で3時間以上煮こみ、米粒が艶のあるべっ甲色になったら完成となる。
保護・継承の取り組み
鹿児島県は、平成28年に県を代表する郷土料理等を「かごしまの味」として制定し、あくまきを含んだ28品(鹿児島県全域18品、奄美地域10品)を紹介している。
またあくまきは文化庁「100年フード」において、「伝統の100年フード部門 ~江戸時代から続く郷土の料理~」に認定されている。
主な食べ方
竹の皮を剥がして食べやすい大きさに切ったら、きなこや黒糖、白砂糖など、好みのものをまぶして食べる。砂糖醤油をかけて食べることもある。