べこ餅(べこもち)
北海道べこ餅(べこもち)
分類(大)
その他
分類(小)
菓子類
主な使用食材
白玉粉、上新粉、片栗粉、砂糖、黒砂糖
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主な伝承地域
道内全域
食品概要(特徴・種類)
べこ餅は、主に白と黒の2色で配された木の葉の形をした郷土菓子である。白玉粉に、白色の生地は上白糖を、黒色の生地は黒糖を混ぜ合わせ、蒸してつくられる。そのため、もっちりとした柔らかい食感で、子どもから大人まで懐かしい味として親しまれている。
白と黒の2色、木の葉の形が定番であるが、道南地域を中心に色や形の異なるべこ餅が存在する。黒糖だけを練り込んだ黒単色の生地や、人工着色料で鮮やかに色付けた生地、クルミを練り込んだ醤油生地、よもぎを混ぜた緑色の生地など。また、形も木の葉だけでなく、花形や丸形などがあり、さまざまな見た目や味で楽しまれている。
歴史・文化、関連行事
発祥については諸説あり、定かではない。江戸時代に北前船によって伝わったとされる山形県の郷土菓子「くじら餅」が、のちに北海道で独自の木の葉形になったと言われる説がある。現在でも道南地域の一部では、べこ餅をくじら餅と呼んでいるという。他にも、白と黒の配色から牛の模様に似ていて仔牛を意味する「べこ」を用いた説、黒糖を混ぜた部分が「亀のべっこう」の色合いに似ていることから「べっこう餅」になったという説、そして「米粉(べいこ)」を原料としたお菓子であるため「べいこ餅」と呼ばれた説などが存在する。今でも、べっこう餅と呼ぶことが多い。
製造方法
上新粉と白玉粉を混ぜ合わせる。上白糖に塩と熱湯を入れて溶かし、混ぜ合わせておいた粉の約半分を加えて練り、白色の生地をつくる。同様に、黒砂糖を熱湯で溶かし、塩を加えて残りの粉に練り込み、黒色の生地をつくる。2色の生地を合わせて、1本の棒状にし、木型に入れて、木の葉形に成型する。作り手によって、木型を用いずに木の葉形をつくったり、渦巻き形にしたりとさまざまにアレンジしている。冷凍庫で2~3日の保存が可能である。
保護・継承の取り組み
以前は家庭でつくることも多かったが、現在は少なくなってきている。そのため、べこ餅の作り方を発信する企業や、家庭で作れるようべこ餅の粉キットを販売する製粉所など、道内における積極的な継承活動がみられる。また、土用の丑の日のうなぎなど四季折々の食文化に合わせて、べこ餅の形をアレンジするお店もあり、今はべこ餅が当たり前のように生活になじんでいる。
主な食べ方
道南地域を中心に、端午の節句のときにべこ餅を食べることが多い。他にも正月や彼岸、冠婚葬祭などハレの日に食べられている。現在では、スーパーマーケットや菓子店で年中販売されていることから、いつでも手軽に食べることができる。
冷凍で販売されているべこ餅は、解凍後そのまま食べることができるが、電子レンジやトースターで加熱して、食することもある。