棒鱈煮(ぼうだらに)
山形県棒鱈煮(ぼうだらに)
分類(大)
水産
分類(小)
その他水産加工品
主な使用食材
棒鱈、砂糖、醤油、酒、みりん
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主な伝承地域
内陸地域(最上地域、村山地域、置賜地域)、山形県全域
食品概要(特徴・種類)
棒鱈煮は、鱈の乾物の棒鱈を、手間暇かけて甘辛く煮つける山形県内陸部に伝わる郷土料理。鮮魚が手に入りづらい地域の人々にとっては貴重なタンパク源であり、贅沢品。赤飯とともに正月やお盆、祭りなどに欠かせないハレの日の一品として食べられてきた。
棒鱈は叩くとカンカンと音がするほど硬く、まずは一晩かけてじっくり水で戻し、時間を惜しまず根気よく煮込むことで、ようやくほろほろと骨まで丸ごと食べられる棒鱈煮が出来上がる。今は既製品を買う家庭が多くなったが、棒鱈煮を上手に柔らかく煮ることができると、山形では料理上手として一目置かれるという。
歴史・文化、関連行事
江戸時代、北前船で北海道から酒田の港に着いた棒鱈は、最上川を上り、山形市や米沢市などの内陸地域へと運ばれた。軽くて扱いやすい乾物の状態で長期保存ができるため重宝され、盆正月などのハレの日に大切に使われたという。以前は棒鱈での流通が主流で、棒鱈煮は専ら家庭でつくられる料理だったが、時代とともに手間暇をかけて調理されることは減り、完成品での流通が多くを占めるようになった。
ちなみに江戸当時の棒鱈の一番の得意先は、京都。正月料理の芋棒づくりに不可欠で、山形同様、年越しになくてはならない食材だった。
製造方法
棒鱈をきれいに洗い、たっぷりの水に一晩つけて戻す。鍋に棒鱈と戻し汁を入れて火にかけ、煮立ったら落としぶたをして弱火にし、静かに柔らかくなるまで煮る。火を止めて冷めるまで置き、調味料(砂糖、醤油、酒、みりん)を投入し、再び30分ほど煮て火を止め、また冷ます。冷ましては火にかける工程を2回から3回繰り返し、味を含ませる。
ポイントは、煮始めは煮汁を多めにして味を染みこませ、ある程度味が染みたら、煮汁を取って煮崩れを防ぐこと。取った煮汁は捨てず、里芋や大根の煮物などに使うとおいしく煮あがる。
保護・継承の取り組み
県内の飲食店では酒のつまみや付け合わせの定番メニューとして、棒鱈煮が提供されている。
棒鱈は地元のスーパーや直販店で入手でき、惣菜売り場には棒鱈煮が並ぶ。また、棒鱈煮には真空パック詰めの加工品があり、棒鱈同様、インターネットで購入することもできる。
主な食べ方
主にハレの日の一品として食べられている。また、既製品を買って晩のおかずにしたり酒肴にしたりするなど、食べられるシーンは増えた。