豚みそ(ぶたみそ)
鹿児島県豚みそ(ぶたみそ)
分類(大)
農産
分類(小)
その他農産加工品
主な使用食材
豚肉、味噌、砂糖、かつお節、落花生の粉など
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主な伝承地域
県内全域
食品概要(特徴・種類)
豚みそは、主に豚肉、味噌、砂糖を合わせて作られる、鹿児島県を代表する加工品である。地域によりその特徴に違いがあり、鹿児島本土では豚ひき肉としいたけ、ごぼう、しょうがなど野菜のみじん切りを炒め、砂糖や味噌を合わせて炒めながら練り上げて作ったものを言う。
奄美地域では、茹でた豚の三枚肉に、味噌や砂糖などを炒めながら混ぜ合わせて作ったものを言う。
歴史・文化、関連行事
鹿児島本土では元々、ささがきにしたごぼうやにんじん、しいたけなどを油で炒めて味噌を加えた「油みそ」という料理があり、第二次大戦後の食糧難の頃までおかずとしてよく食されていた。その後、昭和30年頃から食料事情が改善され砂糖や豚肉を入れるようになり、現在のような甘みのある豚みそになったと思われる。
奄美地域では、古くから毛が黒い「島豚」が飼育されていた。かつては各家庭が豚小屋で豚を飼っており、盆や正月など親族が集まる行事のときに屠殺され、貴重なタンパク源として食べられたという。そのため、どのような部位も無駄にしないために、年越し料理の豚骨野菜のほか、 塩漬けや豚みそなど保存がきく料理が作られ始めた。
製造方法
鹿児島本土での作り方は、野菜が入っているのが特徴である。みじん切りにしたしょうがを炒めたところに豚ひき肉を入れ、肉の色が変わったらしいたけ、ごぼうのみじん切りを足して炒める。野菜に火が通ったらみりん、砂糖、麦みそを入れ、弱火でとろりとするまで練り上げる。ごまと唐辛子などを入れても良い。
奄美地域の作り方は、豚バラの三枚肉を使うのが特徴。肉を茹でて一口大に切る、もしくは切った肉を炒めたあと、肉と粒味噌(主に麦味噌)、砂糖(あれば島ざらめ、黒糖など)などを肉と混ぜ合わせる。地域や家庭により入れるものが多少異なり、奄美地域ではかつお節、落花生の粉などを入れることが多い。
作ってすぐに食べることができるが、しばらく寝かすとさらに味が馴染んでおいしい。2~3年熟成させたものもある。
豚肉の部位や味噌の種類、混ぜ込むものを変えると、また違った味わいのものが楽しめる。
保護・継承の取り組み
鹿児島県は、平成28年に県を代表する郷土料理等を「かごしまの味」として制定し、豚みそを含んだ28品(鹿児島県全域18品、奄美地域10品)を紹介している。
また鹿児島県では、伝統の製造方法による食品や特徴ある県産原材料の良さを活かした食品、独自の技術により生産された特色のある食品について、製造方法や使用原料等の基準を定め、これに適合するものを「ふるさと認証食品」として認証しており、令和5年3月末現在、豚みそでは5食品が認証されている。
豚みそは県内の複数のメーカーにより製造・販売されており、県内の高校生により製造されているものもある。
主な食べ方
ごはんと一緒に食べたり、お茶請けとして食べる。おにぎりの具にしたり、冷奴やうどんにのせたり、炒め物に使用したりと、食べ方のアレンジは豊富である。