越前塩うに(えちぜんしおうに)
発酵食品
福井県越前塩うに(えちぜんしおうに)
分類(大)
水産
分類(小)
水産発酵食品
主な使用食材
ばふんうに
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主な伝承地域
越前海岸
食品概要(特徴・種類)
越前塩うには「ばふんうに」の生殖巣を塩漬けし(塩辛)、乾燥させた後に熟成させた水産発酵食品である。製品によっては「汐うに」とも表記される。江戸時代に福井藩に納めていた頃の習わしで、現在も桐箱入りで販売されている製品もある。
色は赤橙(あかだいだい)色、形状は味噌よりやや硬いペースト状で、磯の香りと濃厚なうま味を有する。ばふんうには2~3cm程度の小さな種類で、可食分となる生殖巣はごくわずかであり、100gの越前塩うにをつくるのに100個のうにが必要という貴重なものである。
ばふんうにの主な産地である坂井市三国町では、毎年7月21日から約1か月間うに漁が行われ、地元の海女さんによる漁の風景は夏の風物詩となっている。収穫したうにはすぐにその場で加工処理され、塩漬けにされる。
日本酒との相性が抜群とされ、そのまま食べるか、ご飯の上にのせて食べるのが一般的である。
歴史・文化、関連行事
平城京から出土した木簡に、うにが若狭国三方郡からの献上品として記されている。輸送時の腐敗防止としては塩漬けが一般的方法であったと考えられるため、うにの塩辛の発祥は少なくとも奈良時代までさかのぼると推定される。
現在の製法が確立したのは江戸時代後期。福井藩の御用商として創業した「天王屋」(現・天たつ)の三代目が、藩主・松平治好より「戦時中に日持ちする貯蔵食の開発」を命ぜられ、塩蔵法による塩うにを考案したのが始まり。江戸時代の書物で、全国各地の名産品を集めた『日本山海名産図会』において「塩辛中の第一」とうたわれ、三河のこのわた(なまこの内臓の塩辛)、肥前のからすみ(ぼらの卵巣の塩辛)とともに、日本の三大珍味の一つとされた。
製造方法
漁獲したばかりの新鮮なばふんうにの殻を割り、生殖巣をピンセットで傷つけないように取り出して海水で洗い、殻の破片などの不純物を丁寧に取り除く。ござ、あるいは板の上に食塩をまき、その上にうにを並べて、ふり塩をして脱水させ乾燥させると、ねっとりとした状態になる。これをペースト状になるまで練ったあと熟成させる。熟成期間は製造会社によって異なり、短時間のものから、1~3年熟成させるものもある。熟成期間が長いほど、色味は橙色から朱色に近くなる。
保護・継承の取り組み
福井県内におけるばふんうにの漁獲量は、年間100kg前後と非常に貴重な資源である。そのため県では、ばふんうにの漁獲量を増やすことを目的に、ばふんうにの胃の内容物から餌となる海藻を特定するなど生育に適した環境の研究を行い、種苗放流や養殖への活用を進めている。
老舗製造会社では、うにの特性に合わせて熟成期間を調整するなど、繊細な製法により越前塩うにの伝統を守り続けている。
主な食べ方
ペースト状のため、おにぎりの具として入れたり、チーズと合わせたり、薬味としてパスタに和えたり、多様な使い方が可能である。濃厚な味が特徴のため、少量加えるだけでよい。
アレンジレシピ:紫陽花うに豆腐
材料
越前うに
大さじ1
卵黄
2個
だし
大さじ2
みりん
小さじ1
酒
小さじ1
うす口醤油
小さじ1
熊川のくず(くずして)
大さじ4
玉子豆腐
三つ葉(ゆがいて)
適量
わさび
少々
梅肉(裏ごししたもの)
少々
金魚人参
4枚
作り方
くずを大さじ8の水で溶き、バットにうすく流し、一度こして、湯せんにかけて火を通し、表面が白くなったら湯に入れ、透き通ったら水に放つ。
大さじ1の越前うにを卵黄で溶いて、だしでのばす。 みりん、酒、うす口で味を整え、湯せんでとろみをつけて冷やす。
市販の玉子豆腐は十分に冷やして、器に合わせて切り、盛り付ける。
3の玉子豆腐の上から、2のうにのソースを乗せ、その上に1のくずをかぶせ、三つ葉と梅肉、少々の越前うにと合わせて、わさびを添える。 よく冷やしてからいただく。
提供元:福井県漁業協同組合連合会
http://jf-fukui.a.la9.jp/recipe/summer.html