越前そば(えちぜんそば)
福井県越前そば(えちぜんそば)
分類(大)
農産
分類(小)
穀類
主な使用食材
そば
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主な伝承地域
福井県全域
食品概要(特徴・種類)
福井県は、そばの在来種が数多く栽培されており、令和4年現在、福井県食品加工研究所に保管されている在来種は22系統ある。代表的なものとして「大野在来」「丸岡在来」「今庄在来」「美山南宮地在来」などが挙げられる。それぞれ県内の特定の気候風土で育まれ、生産者の栽培技術の違いも加わることで、一様ではなく個性豊かな味を持っている。総じて、小粒ながら味が濃く、香りに優れているのが、福井県のそばの特徴とされている。
高品質な玄そばから生産されるそばは、風味や甘味に定評がある。今日では日常的に食されているそばだが、かつては救荒食としてそば粉をお湯でこねた「そばがき」が食べられていた。麺状のそばは、ハレの日の料理として食べられることが多かった。
歴史・文化、関連行事
福井県におけるそばの栽培は、1471年(文明3年)に戦国大名の朝倉孝景が、一条谷に築城、短期間(約75日)で収穫できるそばを合戦の合間に栽培し、籠城用食糧にしたことが始まりとされる。当時のそばは、麺状ではなく、そば粉をお湯でこねた「そばがき」や「そば団子」といった形で食されていた。麺状のそばが登場するのは1601年(慶長6年)であり、府中(現越前市)の城主の本多富正が帯同させた京都伏見のそば職人により、細麺のそばにだいこんおろしを乗せる「おろしそば」が生まれたと言われている。現在では、県を代表する郷土料理の一つとして多くの店で提供され、親しまれている。
製造方法
そばの風味を最大限生かすために、県下すべての製粉企業が「石臼挽き」で越前そば用のそば粉をつくっている。石臼挽きは時間がかかり効率も悪いが、低速で挽くことで熱が生じないため、風味や甘味が損なわれない。また、そばの繊維が壊れないため、粘りのあるそば粉になる。越前そばは少し黒っぽいのが特徴で、甘味があり香りが高いと定評がある。その理由は、玄そばの甘皮も含めて挽く「挽きぐるみ」という方法が影響していると考えられる。
保護・継承の取り組み
県内にはそば屋が数多くあり、県外からも多くの人が訪れる。そばの収穫時期である11月には、県内各地で「新そば祭り」が開催される。また、素人のそば打ち技術日本一を決める大会や、県内高校生によるそば打ち選手権の開催、そば打ち体験講座の実施など、さまざまな機会を通じてそば文化の継承を行っている。
主な食べ方
ゆでて水でしめたそばに冷たいつゆをかけ、だいこんおろし(季節によっては辛味だいこん)やかつお節、ねぎなどをのせて食べる「越前おろしそば」が代表的な食べ方である。つゆに付けて食べるほか、そばにつゆをぶっかけて食べる独自の食べ方がある。近年では、ガレット粉やスイーツなどへの活用も増えている。
アレンジレシピ:おろしそば(4人分)
材料
生そば
4玉
大根
400g
だし汁
3カップ
酒
大さじ1と1/3
みりん
大さじ1と1/3
薄口醤油
大さじ3弱
刻みねぎ
20g
花かつお
8g
作り方
鍋にだし汁を入れて沸騰させ、酒、醤油、みりんを入れてかけ汁をつくる。
そばはたっぷりのお湯でゆがき、水気を切って、温めた器に入れる。(水にとって冷やすときは充分ぬめりを洗う)
そば鉢に2を入れ、大根おろしをいれたかけ汁を注ぐ。ねぎ、花かつおを飾る。お好みで唐辛子を振りかける。
大根おろしを入れたかけ汁をかけるほか、大根とだしを別々に入れる、大根のしぼり汁とだしをあわせてかける、という3通りの食べ方がある。
提供元:「ほっとするね ふるさとの味」(福井県健康政策課、福井県食生活改善推進員連絡協議会)
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/oroshi_soba_fukui.html