塩蔵ワカメ(えんぞうわかめ)
宮城県塩蔵ワカメ(えんぞうわかめ)
分類(大)
水産
分類(小)
海藻製品
主な使用食材
わかめ
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主な伝承地域
三陸
食品概要(特徴・種類)
塩蔵わかめとは、わかめに塩を加えて脱水し、長期保存を可能にした物。同じく保存が利く干しわかめに比べて、栄養価や食感、風味などで優れているのが特徴である。塩蔵わかめには、塩を加えて脱水する「塩もみわかめ」、生わかめを塩で漬け込み、重石をして脱水しさらに塩をまぶした「生塩蔵わかめ」、現在の製法の主流となっている湯通ししたわかめを塩漬けにする「湯通し塩蔵わかめ」がある。わかめは、アルギン酸をはじめカルシウムやマグネシウムなどのミネラル分が多く、さらに食物繊維やビタミンなども豊富に含むため、健康食品としても注目されている。
歴史・文化、関連行事
宮城県の三陸沿岸は、親潮と黒潮がぶつかる恵まれた漁場であることに加え、山からの栄養も流れ込むため、うまみが強く肉厚なわかめが育つ。
宮城県内では1956年にわかめの採苗の量産化に成功し、1960年頃からわかめ養殖が始まった。波が荒い外洋では「水平延縄式」、波が穏やかな内湾では「水平筏式」という方法で養殖され、国内でトップクラスの生産量を誇っている。わかめの旬は3~4月だが、水揚げされたわかめの多くは保存が利き通年楽しめる塩蔵わかめに加工され、全国各地へと出荷されている。
製造方法
海水を沸かした湯にわかめを入れ、数十秒湯通しする。次に海水をかけ流しにして急速に冷やし、水切りしたらムラにならないように注意しながら塩もみを行う。24時間以上塩漬けした後、塩を洗い落として脱水。葉と茎を分ける「芯抜き」をして湯通し塩蔵わかめの完成となる。老化したわかめを使ったり、大量に加工したりすると保存中に変色しやすくなるため注意が必要である。
保護・継承の取り組み
宮城県は県内のおいしい水産物や、水産加工品のPRのため、水曜日の「すい」と第3の「さん」から毎月第3水曜日を「みやぎ水産の日」と制定。わかめなどを月替わりのテーマ食材として取り上げ、県内水産物の消費拡大を目指している。近年、海水温の上昇が懸念されているが、わかめ養殖では、水温が高いと幼芽が弱って育たなくなってしまう。そのため、宮城県水産技術総合センター気仙沼水産試験場では、暑さに強いわかめの研究を進めている。
また、県内にはわかめの収穫から塩蔵加工まで挑戦できる体験型アクティビティを行う業者もあり、宮城県のわかめ文化の普及啓蒙の一助となっている。
主な食べ方
塩蔵わかめは、水を替えながら戻して使う。宮城県産のわかめは肉厚で柔らかく、シャキシャキとした歯ごたえが魅力であり、サラダや酢の物、和え物、味噌汁にするのはもちろん、しゃぶしゃぶや天ぷら、炒め物などにしてもおいしく食べられる。