ふぐの子のぬか漬け(ふぐのこのぬかづけ)
発酵食品
石川県ふぐの子のぬか漬け(ふぐのこのぬかづけ)
分類(大)
水産
分類(小)
水産発酵食品
主な使用食材
ふぐ
※ダウンロード可能な画像を使用する場合は「リンクについて・著作権」をご一読の上、
出典を農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」と明記し、ご利用ください。
なお、画像提供元の記載がある場合は画像提供元も併せてご記載ください。
画像提供元の記載例
【画像提供元の記載がない場合の記載例】
出典:農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」
【画像提供元の記載がある場合の記載例】
出典:農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」
画像提供元:〇〇〇
主な伝承地域
県内全域
食品概要(特徴・種類)
ふぐの卵巣を、塩とぬかで3年ほどかけて発酵させ毒を抜いた伝統食。金沢市金石、大野のほか旧美川町、輪島市が主な製造地。「ふぐは食いたし、命は惜しし」という言葉があるように、ふぐを食べてあたると命がないと昔から言われている。ふぐの卵巣には、テトロドトキシンという猛毒が含まれているが、塩とぬかに漬けると解毒される。その解毒の仕組みについては、製造過程で毒が塩水とぬかに拡散して平均化する説や、発酵中に微生物が毒を分解している説がある。しかし、いまだにメカニズムは解明されておらず、石川県でも限られた生産者しか製造することが許されていない。
歴史・文化、関連行事
発祥は定かではないが、各地の貝塚からふぐの骨が出土していることから、ふぐを食用としていたのは太古の時代からと推測される。ぬか漬けにする加工方法は、北海道方面から運ばれたふぐを船中食や、冬の保存食としてぬかに漬けたのが始まりと言われている。昭和58年に、猛毒をもつふぐの内臓は全て廃棄するよう食品衛生法が改正されたが、石川県は、江戸時代から続く加賀の伝統産業であることや、過去に一度も事故がないことから、ふぐの子のぬか漬けをつくることが認められている。
製造方法
ふぐの加工は、石川県近海でふぐが獲れる4~6月と9月に行われる。まず身と卵巣を分けて、卵巣を約半年から1年かけて塩漬けする。次に卵巣を水洗いし、米麹、ぬか、とうがらし及び魚醤のいしるとともに重石をして漬ける。その後、桶ごとにふぐ毒のチェックをし、検査が通ったものに「石川県ふぐ加工協会」の認定シールが貼られ出荷される。ただしこれらの処理は、ふぐ調理師免許を持った人のみが行える。
保護・継承の取り組み
ふぐの子のぬか漬けを製造・販売している業者では、「禁断のグルメ体験ツアー」を行っている。ツアー内容は、ふぐの調理に関する話を聞き、工場見学、粕漬け体験、最後にはふぐの子のぬか漬けを乗せたお茶漬けが食べられるといったもの。また併設の飲食店では、多彩なふぐの子ぬか漬けのアレンジ料理を提供しており、新メニューの開発なども積極的に行っている。
主な食べ方
ぬかを落として輪切りにし、そのまま食べるのが一般的。塩分が高いため、酒の肴に最適。塩辛いのが苦手な人は、レモン汁や酢、甘酢をかけるとやわらぐようだ。卵の粒をほぐして使う場合は、アルミホイルで包みオーブントースターで軽くあぶるとほぐれやすくなる。金沢市内のデパートや金沢百番街、石川県観光物産館等で販売しており、真空パック状のものは通年入手可能。居酒屋などで提供していることもある。