フカの鉄干し(ふかのてつぼし)
高知県フカの鉄干し(ふかのてつぼし)
分類(大)
水産
分類(小)
乾物
主な使用食材
サメ、塩
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主な伝承地域
県沿岸全域
食品概要(特徴・種類)
フカの鉄干しとは塩漬けしたサメの切り身を天日干しした干物である。高知県ではサメのことを「フカ」と呼び、また表面が硬いことから「鉄干し」と呼ばれる。全国各地でサメを食する文化が現在でも残っているが、干物として食してきたのは土佐ならではで、魚介がなかなか手に入らなかった山間部で食されてきた伝統的な保存食である。
秋から春の旬の時期に漁獲された青サメで製造されるのが主で、特に室戸では青サメを「マイラ」と呼び親しんでいる。サメはアンモニア臭が強いことでも知られるが、その臭いと鋭い見た目とは裏腹に、あっさりながらも濃厚な旨味があり、風味豊かなのが特徴。高知県ではご飯のおかずとしてはもちろん、酒の肴にも欠かせない一品として親しまれてきた。
秋になるとスーパーマーケットなどにも並び、またインターネット販売もされていることから、現在では知る人ぞ知る珍味として人気である。
歴史・文化、関連行事
世界的にサメの食文化の歴史は古く、最も周知されているのは中華料理の高級食材フカヒレであろう。日本では757年「養老律令(ようろうりつりょう)」と927年「延喜式(えんぎしき)」にサメの干物と推測される「鮫彇(さめほしさかな)」と記されており、古くより干したサメを食してきたことがうかがえる。
サメと呼ぶのは主に関東地方以北(北関東地方の一部では「モロ」)で、関西地方では 「フカ」、山陰地方や北陸地方では「ワニ」と地域によって呼び名も異なる。また、調理法に地域性があるのも特徴で、東北では主に煮物や焼き物、中国・四国地方では湯引きや刺身であるのに対して、干物としてサメを食するのは高知県ならではと言える。
製造方法
フカを三枚におろし、皮を比引いて身を柵状にする。アンモニア臭がなくなり、濁りがなくなるまで水でよくもみ洗いして一晩塩水に漬けた後、天日干しする。
保護・継承の取り組み
現在は干物としてスーパーマーケットや土産品店で販売されているほか、インターネットでは真空パックのものを買い求めることも可能。また、室戸市のふるさと納税の返礼品にもなっている。
主な食べ方
軽く火で炙って食する。ご飯のおかずとしてはもちろん、お茶漬けや酒の肴として食されている。