福井梅の梅干し(ふくいうめのうめぼし)
福井県福井梅の梅干し(ふくいうめのうめぼし)
分類(大)
農産
分類(小)
漬物
主な使用食材
梅、塩
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主な伝承地域
若狭町、小浜市、南越前町
食品概要(特徴・種類)
福井梅とは、福井で生まれた独自の4品種の梅のことをいう。江戸時代(天保年間)より栽培されてきた在来の「紅映(べにさし)」「剣先(けんさき)」と、昭和から平成にかけて育成された「新平太夫(しんへいだゆう)」「福太夫(ふくだゆう)」である。中でも梅干しに適しているとされるのは、「紅映」、「新平太夫」、「福太夫」である。
特に主力品種である「紅映」は他の品種に比べ種子が小さく、肉厚な梅干しに仕上がる。また、酸味の成分である有機酸が少なく、うまみ成分であるアミノ酸やミネラル分を多く含んでいることから、酸っぱ過ぎず、まろやかな味わいになると言われている。
収穫時期は種類によって異なるが、大体6~7月に収穫され、半分は生で出荷し半分は加工される。加工品の中でも梅干しは昔からの保存食であり、現在でも主力商品。完熟の福井梅を塩漬けしてから天日干しする「土用干し」は、梅産地ならではの夏の風物詩である。
歴史・文化、関連行事
福井の梅は、江戸時代の天保年間に若狭町西田地区(旧三方町西田村)の平太夫と助太夫の家にあった梅の木が発祥と言われ、その屋号から「平太夫梅」、「助太夫梅」と呼ばれていた。明治時代になるとさまざまな品種改良が行われ、現在の「紅映」「剣先」が生まれた。
生産が本格化しはじめた明治時代には、発祥の地の名前を冠して「西田梅」と呼ばれていたが、昭和42年に産地のさらなる認知を進めるため「福井梅」に名称を変更した 。
奈良時代の藤原宮、平城宮跡から発掘された木簡に、若狭地方から多くの塩が納められていたことが記されており、福井県は古くより、梅干しづくりに欠かせない塩が豊富であったことがわかっている。また、梅干しといえば相性抜群なのは米である。福井県が全国有数の米どころであることも、梅干しの普及に影響したと考えられる。
製造方法
梅干しには完熟梅を使う。梅にまんべんなく塩をふり、重しをして約1か月塩漬けする。土用の頃(7月中旬)に引き上げ、干す。裏表ひっくり返しながら干し、均等に水分が抜けるようにする。これを「白干梅」と呼び、そのまま食べたり、このあと調味されたりする。調味の種類は、しそに漬けたもの、塩分を減らしたもの、塩抜きしてはちみつに漬けたものなどがある。
保護・継承の取り組み
福井梅の梅干しは、県内の梅農家やさまざまなメーカーでつくられるほか、家庭でもつくられる。また、飲料や菓子類など、梅干し以外の加工品の開発も進められている。
主な食べ方
梅干しはそのまま食されるほか、料理やデザートなど幅広い用途で使われる。チューブ状の容器に入れた練り梅なども販売されている。