福来みかんの七味(ふくれみかんのしちみ)
茨城県福来みかんの七味(ふくれみかんのしちみ)
分類(大)
農産
分類(小)
醤油、味噌、その他調味料
主な使用食材
福来みかん、唐辛子、黒ごま、けしの実、山椒、麻の実、青のり
※ダウンロード可能な画像を使用する場合は「リンクについて・著作権」をご一読の上、
出典を農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」と明記し、ご利用ください。
なお、画像提供元の記載がある場合は画像提供元も併せてご記載ください。
画像提供元の記載例
【画像提供元の記載がない場合の記載例】
出典:農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」
【画像提供元の記載がある場合の記載例】
出典:農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」
画像提供元:〇〇〇
主な伝承地域
筑波山麓
食品概要(特徴・種類)
福来(ふくれ)みかんの七味とは、「福が来るように」と名付けられた筑波山麓特産の福来みかんを使用した七味である。通常なら温州みかんの皮を乾燥させた陳皮(チンピ)を使用するが、その代わりに福来みかんの皮を使用することで独特の香りと味わいを生み出している。
福来みかんは、元々「西の富士、東の筑波」と称される筑波山麓の周辺に自生する古くからの特産品で、ゴルフボール大で、温州みかんよりも小粒。爽やかな酸味とほろ苦さに特徴がある。独特の香りが重宝され、その皮を乾燥させて陳皮として使用したのが福来みかんの七味である。
歴史・文化、関連行事
福来みかんの歴史は古く、ヤマトタケルの時代からあり、古事記常陸国風土記に、垂仁天皇が田道間守(たじまもり)に香ばしい不老長寿のかぐの実を探させ、持ち帰らせたのが福来みかんの起源と記載されている。また、江戸時代には筑波山大御堂の光誉上人(こうよしょうにん)が福来みかんと唐辛子、複数の薬草で内服薬を作り、大坂夏の陣で陣中薬として使用したところ効果が著しく、大評判となり名産品として広がったと言われている。
筑波山麓は、みかんの産地としては北に位置するが斜面は日当たりが良く暖かいため、西側の麓にある酒寄地区では120年ほど前から福来みかんの栽培が始まった。
製造方法
福来みかんの旬は毎年10月下旬~12月上旬で、乾燥させた皮を粉末にし、唐辛子、黒ごま、けしの実、山椒、麻の実、青のりなど七味唐辛子の材料と混ぜ合わせて作る。地元では手作りする人も多い。
保護・継承の取り組み
1970年代、甘味の強い温州みかんの栽培が盛んになると、消費者は甘いみかんを求めるようになった。小さい実を一つずつ収穫するのは大変だったこともあり、福来みかんの栽培は激減していった。しかし、香りの高さなど福来みかん特有の良さが見直され、2007年、福来みかんの栽培拡大を目指ざして 「筑波福来みかん保存会」が発足され、希望者に苗木を販売したり、同じく筑波の特産品「ガマの油売り」の口上を参考に七味売りの口上を作ったりするなど、認知と普及に力を入れている。
その他にもつくば市では、子供たちに福来みかんを知ってもらうことを目的に、小学校で福来みかんについての歴史学習、みかんの摘み取りや体験学習を実施している。
主な食べ方
薬味として色々 なメニューに使用される。うどんやそばはもちろん、けんちん汁などの汁物には欠かせない。また、ご飯に混ぜて握ると、ピリ辛で香り豊かなおにぎりになる。