ふり松風(ふりまつかぜ)
奈良県ふり松風(ふりまつかぜ)
分類(大)
その他
分類(小)
菓子類
主な使用食材
小麦粉、白双糖(白ザラメ)、はちみつ、卵、ケシの実
※ダウンロード可能な画像を使用する場合は「リンクについて・著作権」をご一読の上、
出典を農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」と明記し、ご利用ください。
なお、画像提供元の記載がある場合は画像提供元も併せてご記載ください。
画像提供元の記載例
【画像提供元の記載がない場合の記載例】
出典:農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」
【画像提供元の記載がある場合の記載例】
出典:農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」
画像提供元:〇〇〇
主な伝承地域
田原本町
食品概要(特徴・種類)
小麦粉、白双糖(しろざらとう)(白ざらめ)、はちみつ、全卵、けしの実でつくった焼き菓子である。パリッとした食感と素朴な味わい、けしの実の香ばしさが楽しめる。他地域で食されている「松風」と比べ、その大きさと分厚さが特徴である。
年間を通して食すことができ、1か月程度日持ちがする。
歴史・文化、関連行事
平野権平長泰(※)に「日本一大きな菓子を」と所望され、献上した菓子は直径約54cmの大きさであった。その味覚と大きさに平野権平長泰は感激し、その菓子には「松風」という名が授けられた。
名前の由来は、日本の古典文芸において「松風」が、「うら(浦)寂しい」とかけて寂しい海岸の情景を表す言葉として用いられることから、菓子の表面にだけ気泡やけしの実があり「裏が寂しい」ことを洒落(しゃれ)てつけられた。
ふり松風の「ふり」は、焼きあがるまでに時間がかかり、何度も鉄板を「振り」続けることに由来する。
※平野権平長泰は羽柴秀吉と柴田勝家による賤ヶ岳(しずがたけ)の戦いにおいて、羽柴方で殊勲を立てたことにより「賤ヶ岳の七本槍」の一人として称された武将である。
製造方法
ふり松風は現在でも全て手作業でつくられている。小麦粉、白双糖(白ざらめ)、はちみつ、全卵、けしの実でつくった生地を鍋に注いで鉄の平鍋に広げる。備長炭の専用窯「松風窯」に鍋を乗せて下面を焼き、表面にけしの実を振りかける。その後窯の中に入れて上面を焼く。ムラなく焼けるよう、先端がカギ状の長い金属棒の道具 を使って鍋を回しながら焼く。焼き上がったら丸ごとか、半分または四つ切りにして、熱くてやわらかいうちに筒状に巻く。
保護・継承の取り組み
田原本町の菓子店「雲水堂」で職人により一枚一枚手作業でつくられている。
主な食べ方
そのまま菓子として一年中食される。贈答品としても利用される。