がんづき
宮城県がんづき
分類(大)
その他
分類(小)
菓子類
主な使用食材
小麦粉、砂糖
※ダウンロード可能な画像を使用する場合は「リンクについて・著作権」をご一読の上、
出典を農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」と明記し、ご利用ください。
なお、画像提供元の記載がある場合は画像提供元も併せてご記載ください。
画像提供元の記載例
【画像提供元の記載がない場合の記載例】
出典:農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」
【画像提供元の記載がある場合の記載例】
出典:農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」
画像提供元:〇〇〇
主な伝承地域
県内全域
食品概要(特徴・種類)
がんづきは、日常的なおやつや軽食として愛されてきた素朴な郷土菓子である。名前の由来は、「雁(がん)の肉に似ているから」「丸い形と散らしたごまが月と雁に似ているから」など諸説ある。
がんづきは、ふんわりしつつもしっかりした食べ応えがあるのが特徴で、黒砂糖を使った茶色の蒸しパンのような「黒がんづき(黒がん)」と、白砂糖を用いて作るういろうのようなもっちりとした食感の「白がんづき(白がん)」がある。南部領は蒸しパンタイプ、仙台領はういろうタイプが多いとされる。また、仙台味噌を使ったあまじょっぱい「みそがんづき」を販売する店もある。
歴史・文化、関連行事
仙台藩初代藩主である伊達政宗は藩の財源とすべく稲作の発展に努め、宮城県を現在まで続く米どころにつくり上げた。その一方で、農民たちは米を年貢として納めただけでなく「買米制」によって藩に献上していたため、なかなか米を食べることができなかった。そこで小麦の栽培や小麦を使った食文化が広まっていき、今も宮城県は東北における小麦の主産地の1つである。
昭和の初期の頃は、仙北・大崎耕土地域では、小麦粉に玉砂糖(粗糖)、水を加えてドロドロにし、型に入れてごまやくるみを上にのせて蒸したものがおやつとして喜ばれた。後にこのがんづきは「ゆべし」として位置付けられるようになった。仙台市街地では、小麦粉、白砂糖、水、塩少々を加えて混ぜ、型に入れてくるみをのせて蒸したものをいい、お茶請けに好まれた。
昭和中期になると、両地域とも家庭においては、黒がんづき、すなわち黒砂糖を入れ重曹で膨らませた蒸しパン風のものが主流になった。
製造方法
基本的には小麦粉に溶かした砂糖などを加えて蒸したものであるが、黒がんづきと白がんづきでは材料も製法も異なる。
・黒がんづき
小麦粉と重曹を合わせてふるう。重曹の代わりにベーキングパウダーを使う場合もある。細かく砕いて水を加え、加熱して溶かした黒砂糖に、ふるった粉を加えて混ぜ合わせる。ここで卵や牛乳、はちみつ、醤油、味噌、酢などを加えることもある。容器に流し入れてごま、くるみなどをのせ、蒸し器で蒸す。竹串を刺して何も付いてこなければ蒸し上がり。冷めたら食べやすい大きさにカットする。
・白がんづき
白砂糖に水を加えて火にかけ、透明になるまで溶かして冷ます。小麦粉と水を混ぜ、溶かした白砂糖を加える。小麦粉に餅粉を加えたり、牛乳を入れたりする場合もある。容器に流し入れて蒸し器で蒸し、5分後にごまやくるみなどをのせ、さらに25分蒸す。冷めたら食べやすい大きさにカットする。
保護・継承の取り組み
JA全農みやぎや県内の和菓子店などでがんづきを製造・販売している。地元のスーパーなどでラップに包んで売られている他、ネットショップでの取り扱いもある。また、仙台第一高等学校では、部活動の壮行会などの行事でがんづきが全校生徒にふるまわれている。
主な食べ方
子どもが食べるおやつとして、また、農作業の合間に食べる軽食として家庭で作られてきた。