行者にんにくしょうゆ漬け(ぎょうじゃにんにくしょうゆづけ)
北海道行者にんにくしょうゆ漬け(ぎょうじゃにんにくしょうゆづけ)
分類(大)
農産
分類(小)
漬物
主な使用食材
行者にんにく、醤油、みりん、だし汁
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主な伝承地域
道東の十勝地域
食品概要(特徴・種類)
行者にんにくしょうゆ漬けは山菜の一種である行者にんにくに、しょうゆやみりんなどを合わせた調味料で漬け込んだ漬物である。しょうゆに漬け込むことで約半年から1年の保存が可能となり、厳しい寒さにより食材が手に入りにくかった冬の北海道では貴重な栄養源として重宝されたという。行者にんにくは「アイヌネギ」や「ヒトビロ」、「キトピロ」と呼ぶ地域もあり、アイヌ語では「プクサ」という。北海道の先住民であるアイヌ民族は乾燥させた行者にんにくを常備薬として、風邪などのさまざまな病気に用いていたという。行者にんにくの旬は春で、北海道の高原や深山に自生しており、国内では北海道が一番の生産地だという。ユリ科の多年草で、年々収穫量が減少していることもあり「幻の山菜」とも呼ばれる。山岳信仰の行者たちが強壮薬として食していたことが名称の由来だとされる。にんにくのような香りと、シャキシャキとした食感が特徴。
歴史・文化、関連行事
詳細は不明だが、保存食として、春から夏にかけて収穫した行者にんにくをしょうゆ漬けにし、北海道の極寒の冬に備えて各家庭でつくられ、食べられるようになったという。
製造方法
行者にんにくを生のまま漬ける方法と、茹でて漬ける方法がある。まず、行者にんにくについた泥や土などの汚れを水で洗い落とし、「はかま」と呼ばれる根元の硬い部分を取る。生のまま漬ける方法では、行者にんにくを食べやすい大きさに切り、しょうゆ、みりん、だし汁を行者にんにくが浸かるまで容器に入れて、一晩以上寝かせたら完成。
茹でて漬ける方法では、行者にんにくを熱湯で茹で、冷水に浸して冷ました後に絞ってしっかりと水気をきる。続いて、食べやすい大きさに切り、行者にんにくが浸かるまでしょうゆ、みりん、だし汁を容器に入れて一晩以上寝かせたら完成。生で漬けるとシャキシャキとした食感が楽しめ、茹でると柔らかな食感になり風味や辛味は抑えられる。しょうゆダレに漬ける時間が長いほど味の染み込んだしょうゆ漬けができるという。半年以上保存したい場合は、容器をしっかりと煮沸消毒する必要がある。
保護・継承の取り組み
現在でも北海道の複数の製造業者が製造している。瓶に詰めて、スーパーマーケットや物産展、空港、ネットショップなどで販売されていることが多い。また、現在でも家庭でつくられ、食べられている。
主な食べ方
ご飯や豆腐にかけて食べるのが定番だが、チャーハンやパスタ、おにぎり、天ぷら、焼きそばなど、さまざまな料理に使用されている。また、漬け込んだ後のしょうゆダレは冷奴やサラダなどにかけて食される。
アレンジレシピ:行者にんにくしょうゆ漬けで豚肉野菜炒め(2人分)
材料
北海道産行者にんにくしょうゆ漬け
30g
北海道産豚肉
60g
北海道産たまねぎ
40g
北海道産にんじん
20g
北海道産長ねぎ
20g
サラダ油
大さじ1(12g)
塩
小さじ1/6(1g)
こしょう
作り方
豚肉、たまねぎ、にんじん、長ねぎを油で炒める
塩・こしょうで味をととのえる
行者にんにくをトッピングに用い、食べる時に和える
提供元:藤女子大学 菊地 和美