半夏生餅、さなぶり餅(はげっしょうもち、さなぶりもち)
奈良県半夏生餅、さなぶり餅(はげっしょうもち、さなぶりもち)
分類(大)
その他
分類(小)
菓子類
主な使用食材
つぶし小麦、もち米、きな粉
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主な伝承地域
県内全域、葛城、吉野川、十津川郷地域
食品概要(特徴・種類)
半夏生餅(はげっしょうもち)、さなぶり餅は、小麦を材料にしてきなこをまぶした「小麦餅」のことである。農家で田植えを終えた6月の「さなぶり」の時期や、夏至から11日目にあたる7月2日の半夏生(はんげしょう)に食された。柔らかく素朴な味わいが特徴。小麦が入っているため歯切れがよく胃もたれしにくい。夏場でも4~5日は日持ちするため、夏の農家のごちそうだった。地域の菓子屋でもつくられており、通年食すことができる。
歴史・文化、関連行事
「さなぶり」とは、田植えが無事に終わったことを田の神に感謝し豊作を祈る行事で、酒や菓子をお供えし、神様と一緒に食すとされた。「さなぶり」の「さ」は「田の神さま 」のことで、地上に降りてきた神様が田植えを見届けて天に帰ることを「さ昇り」と言い、それが訛って「さなぶり」となったという一説がある。「半夏生」とは夏至から11日目の7月2日にあたり、この時にも小麦餅が食された。この日までに田植えを終えないと稲作の収穫量が半分になるという言い伝えもあり、農家ではこの日までに農作業を終え休息するようにしていた。
奈良では「さなぶり」や「半夏生」の際に、お供えであるこの小麦餅を田んぼのあぜ道で食べる習慣があった。奈良県立民俗博物館によると、半夏生餅は室町時代ごろからつくられていたと考えられる。
製造方法
前日から水に漬けておいた餅米と、15分程度、水に漬けたつぶし小麦 を蒸す。餅つき機で少量の塩を入れながら餅をつく。出来上がったら一口大にちぎり、砂糖と塩を混ぜたきな粉をまぶす。
保護・継承の取り組み
さなぶり餅は地域の菓子屋で今もつくられ、年間通して食すことができる。農産物直売所などでも販売されている。
主な食べ方
そのまま食すのが一般的。好みで黒蜜をかけて食べる。