葉わさびのしょうゆ漬(はわさびのしょうゆづけ)
島根県葉わさびのしょうゆ漬(はわさびのしょうゆづけ)
分類(大)
農産
分類(小)
その他農産加工品
主な使用食材
わさび
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主な伝承地域
県西部(津和野町)
食品概要(特徴・種類)
山陰の小京都として知られる、島根県の西部に位置する津和野町。その津和野町の日原地区は、日本有数の清流として名高い高津川水系の源流域でわさびの栽培地として有名である。高津川は支流も含めて貯水ダムがない唯一の一級河川である。貯水されることがないため、源流から日本海まで常に新鮮な水が流れ、さらに広葉樹の多い安蔵寺山系から湧き出た滋養豊かな清流にも恵まれ、古くから良質なわさびが自生していた。
津和野のわさびは、雪が積もる冬の寒さや沢水による水温変化など気候の厳しさのため収穫までに約2年もの時間がかかる。厳しい気候の中で生育する島根のわさびは、他の産地のものとは異なり、きりっとした辛みに、ほのかな甘みと新緑を思わせる爽やかな香りを備え、粘りのある濃厚な口当たりが特徴である。
島根のわさびを使った葉わさびのしょうゆ漬けは、シャキシャキとした食感と噛むほどにわさび本来の刺激的な辛みやみずみずしい香り、自然な甘みを感じることができる逸品で、地元では「かにめ漬け」とも呼ばれている。そのまま食してもよし、また薬味として様々な料理と組み合わせてもよしの万能食材である。
歴史・文化、関連行事
津和野町では、明治時代よりわさび栽培が行われていた。昭和初期には「東の静岡、西の島根」と呼ばれるほど、島根のわさびは西日本の高級料亭で重宝され、食通の間では知られた食材であった。しかし、過去の大水害、生産者の高齢化や後継者不足等で生産量は激減した。
津和野町の近く、益田市匹見地区でのわさび栽培は、1818年から始まったという記録が残されている。匹見のわさびは、標高500m以上の山の急斜面に石を積んだ渓流式わさび田で栽培されている。
製造方法
島根のわさびは、苗を植えてから出荷できるまで1年半~2年かかる。
収穫したわさびを食べやすい大きさにカットし、塩揉みした後、軽く茹でる。湯を切ったら、しょうゆと酒、みりん等を混ぜた漬けたれに漬け込んで完成する。
また、洗った葉わさびに60度のお湯を注ぎ、すぐに水気を切る作業を二度ほど行い冷水で冷やすと、辛みを飛ばすことができる。
保護・継承の取り組み
生産者が減少する中、生産量を増やすため加工用の葉わさびのハウス栽培を進めている。また、JAしまね西いわみ地区本部と生産者が協力し、後継者の育成や首都圏の高級料亭やホテルなどへの売り込みを積極的に行うなど、一時は幻と言われていた島根のわさびの生産拡大に向けた努力を続けている。
主な食べ方
温かいご飯に添えたり、酒の肴にしたり、その食感と風味と刺激的な辛さが色々な料理に合う。うどん、そば、パスタの味付けや、冷やしそうめんの薬味、焼き肉や焼き魚の付け合わせ、刻んでマヨネーズと和えたタルタルソースなど、幅広い使い方ができる。
わさびの辛みと風味が染み出した漬け汁は、卵かけご飯のたれにすると絶品。