ひがしやま
高知県ひがしやま
分類(大)
農産
分類(小)
その他農産加工品
主な使用食材
さつまいも
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画像提供元:〇〇〇
画像提供元:高知県
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主な伝承地域
四万十川流域、幡多郡大月町、高岡郡越知町、吾川郡伊野町
食品概要(特徴・種類)
ひがしやまとは、伝統的な製法で作られた干しいものこと。皮をむいたさつまいもを丸ごと煮込んだ後、そのまま天日干しにするのが特徴である。スライスせずに丸干しすることや、飴色の光沢はひがしやまならでは。伊野町ではこれを「ゆでべら」や「煮べら」と呼んでいる。高知県には、ゆでべらと小豆を甘く煮た郷土料理「いもべらあずき」や郷土菓子の芋けんぴもあるように、元来芋食文化が根づいていると言える。
独特のねっとりとした食感と優しい甘みが特徴で、冬の定番おやつとして親しまれている。そのおいしさの秘密はさつまいもを収穫した後、芋壺と呼ばれる場所で熟成させることと、4~5時間程度じっくりと煮込むことにある。通称ニンジンイモと呼ばれる蜜の多い紅ハヤトや紅はるかで作るのが肝で、これがねっとりとした甘みのもとである。
歴史・文化、関連行事
干しいもは全国に存在するが、高知県ではひがしやまという独自の呼び方が一般的である。その由来は、土佐弁で乾燥してカチカチに固まったものを「ひかちばる」「かちばる」と言うことに由来するという説、山村で作られる干し菓子を表す「干菓子山(ほしがしやま、ひがしやま)」を由来とする説など諸説ある。現在でも、干し芋のことを「ほしか(干し菓)」と呼ぶ人がいることにもその名残を感じることができる。
製造方法
収穫後、芋壺で寝かしておいたさつまいもを洗い、両端を切り落として皮を厚めに剥いて水にさらす。大きな釜で灰汁を時々すくいながら、丸のままゆっくりじっくり時間をかけて炊く。天気が良く寒い日に天日で干す。水分が抜けて、表面が黒光りするようなツヤが出始めたら完成。徐々に温度を上げて炊き上げていくため、焦がさないよう神経を使う熟練の技が必須である。
保護・継承の取り組み
主な伝承地域の道の駅等で販売されているが、作り手が減っているのが現状である。近年、四万十町の地域商社がひがしやまに模して、四万十川流域で生産されるニンジンイモにバターや卵を加えてオーブンで焼き上げた「ひがしやま。」という焼き菓子が開発された。ひがしやまを新たな形で継承していく一手になるかもしれない。
主な食べ方
さつまいもの収穫後、寒い冬の間保存できる菓子として重宝されている。そのままで食せるほか、冷やして食べても、軽く炙って食してもおいしい。