ひねずし
発酵食品
石川県ひねずし
分類(大)
水産
分類(小)
その他水産加工品
主な使用食材
魚介(あじ、さばなど)、米
※ダウンロード可能な画像を使用する場合は「リンクについて・著作権」をご一読の上、
出典を農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」と明記し、ご利用ください。
なお、画像提供元の記載がある場合は画像提供元も併せてご記載ください。
画像提供元の記載例
【画像提供元の記載がない場合の記載例】
出典:農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」
【画像提供元の記載がある場合の記載例】
出典:農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」
画像提供元:〇〇〇
画像提供元:里山ビジネスサポートデスク
この画像はダウンロードできません
主な伝承地域
能登地域
食品概要(特徴・種類)
塩漬けした魚を米と漬け発酵させた保存食のこと。魚はうぐい、あゆ、あじ、さば、はちめ、たい、さけなどを使う。発酵食独特の酸味と深い旨味 があり、栄養価も高い。食べ慣れるとやみつきになる人が多いと言われている 。輪島市、穴水町、能登町といった奥能登の地域が主な産地で、地域によっては「すす」または「なれずし」とも呼ばれている。また、あじのひねずしは「くされずし」という呼び方もある。ひねずしは3年程度の保存が可能。塩漬けの具合や熟成期間によって旨味 が変化し、独特な味わいがあることから「すしの元祖」とも言われている。奥能登地方では、原魚にあじが使用される市販品の「なまなれ」と、原魚にうぐいやあゆを使い一般家庭で作られる「ほんなれ」に分けられる。ほんなれは、味や発酵具合など好みに合わせて調整しているため、家庭によって味が異なる。
歴史・文化、関連行事
発祥は定かではないが、江戸時代に編集された「諸国献上物集」にひねずしの記述が見られる。当時は、高級食品として冠婚葬祭やお祭りの時 に振る舞われていたとされる。かつて山間地域では、交通の便が悪いため鮮魚を頻繁に仕入れることができず、さらに冬場は雪が積もり外出できなくなると、川魚を獲る ことができない。そのためひねずしは、保存食としてだけでなく、厳しい冬場を乗り切るための貴重なたんぱく源でもあった。
製造方法
小魚は目玉と内臓をとり 一 尾のまま、または大きい魚は切り身にして塩をたっぷりと振り、強い重石をして1週間から1か月 程度漬けておく。魚の塩加減によっては塩を追加する。次いで、ごはんを硬めに炊き冷ましておく。魚、ごはん、山椒の葉、赤唐辛子などを桶 に詰めて、密閉し1~2か月 程度熟成させる。発酵することで、骨まで柔らかくなり甘味と優しい酸味を感じることができる。
保護・継承の取り組み
原料である淡水魚の漁獲量が減少したことや、海産鮮魚が入手しやすくなったこと、保存食をつくる 必要性がなくなったことから生産量が減少している。後継者が減少してしまうことを危惧して、能登町の食生活改善推進協議会は製造技術の継承活動として、作り方の講習会を開催。また、JAおおぞら能都支部農産加工グループはひねずしの施塩量を数値化し製法の改善を行ってきた。こうした取り組みにより、ひねずしの生産は漁港周辺の地域へ拡大し、再び生産網が広がってきている。
主な食べ方
お祝い事や夏祭り、秋祭り、正月などに食べられている。食べる時期にあわせ て1~2か月 ほど熟成させる。熟成が進んだころ に、桶 から取り出し食べやすい大きさに切り、そのまま食べる。