冷やしあめ(ひやしあめ)
高知県冷やしあめ(ひやしあめ)
分類(大)
その他
分類(小)
飲料
主な使用食材
米飴、しょうが、上白糖
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主な伝承地域
高知県全域
食品概要(特徴・種類)
冷やしあめとは米飴、上白糖、しょうがの絞り汁を釜焚きしてシロップ状にした蜜を、水で割った飲み物である。水飴の中でも最高級とされる米飴は、あっさりと上品な風味が魅力で、どこか懐かしさを感じる味わいである。しょうが入りというのがしょうがの生産量一位を誇る高知県ならではの特徴。しょうがには殺菌作用、食欲増進や血行を良くしてくれる効果があり、冷やしあめは、夏にはしょうがの爽やかな清涼感が暑さで疲れた体を癒し、冬にはこの蜜を湯で割った「あめ湯」が、体の芯を温めてくれる。
歴史・文化、関連行事
「飴」の歴史は1,000年以上とも言われ、「日本書紀」をはじめいくつかの古文書にも「阿米(あめ)」との記述がある。当時の飴は水飴のことを指し、その表記からもうかがえる通り、米を原料としていた米飴の原型ではないかとされている。
冷やしあめは江戸時代より夏の清涼飲料として、京都を中心とした関西で好んで食されていた。これは、西の地域では古くから甘葛(あまづら)のようなほのかな甘味を嗜好してきたことも理由と考えられる。また、原材料である天然の土しょうがは当時から土佐産を使用していたことも、高知県の郷土食として根づいた一端ではないかと伝えられている。
商品としての冷やしあめの歴史は、昭和30年代、吉平商店の主人が「形が悪く傷のついたしょうがを何とかできないものか」との思いからシロップを作り始めたことが端緒とされる。それを土佐の日曜市や縁日で販売したことから、次第に商品として認知されるようになっていった。現在でも、冷やしあめは昔ながらの地釜を使って直火で付きっきりで煮詰めていく製法を守り続けている。
製造方法
土を落とし、傷や傷みを除いたしょうがを、厚さ5mmほどにスライスしてすりおろす。絞った汁を一晩寝かせて雑味やえぐみを取り除く。絞り汁と上白糖を釜で煮詰める。釜焚きには気候や気温が大きく影響することもあり、釜につきっきりでしょうがの状態をその都度見ながら作業を進めていく。熟練の職人技が不可欠である。現在は瓶詰めで密封する技術により、ある程度保存が可能になった。
保護・継承の取り組み
発祥と伝えられている吉平商店が現在に至るまで冷やしあめの昔ながらの無水製法、つまりしょうがエキスのみで、しょうがの持つ風味が凝縮された製品を作り続けている。また、「土佐の日曜市」には創業から出店を続け、その味を多くの人に広められるよう努めている。
主な食べ方
シロップ状の冷やしあめを、好みの濃度で水やソーダと割って飲む。しょうが焼き、肉じゃが、煮魚、から揚げや牛肉のしぐれ煮など料理の調味料としても最適。隠し味や菓子作りの際のアクセントなど、幅広く活用することができる。
アレンジレシピ:冷やしあめのソーダー割
材料
冷やしあめ
大さじ2
炭酸水
200ml
作り方
グラスに冷やしあめを入れて、炭酸水を注ぎ入れて、かき混ぜる。