いちじくの甘露煮(いちじくのかんろに)
宮城県いちじくの甘露煮(いちじくのかんろに)
分類(大)
農産
分類(小)
その他農産加工品
主な使用食材
いちじく、砂糖、レモン汁
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主な伝承地域
宮城県南部
食品概要(特徴・種類)
いちじくは花を咲かせずに実を結ぶことから漢字で「無花果」と表す。しかし、外から見えないだけで花は果肉の中にあり、果実を切ると赤い粒状の花が詰まっていることが分かる。「不老不死の果実」と言われるほど栄養価が高く、ビタミンやミネラル、食物繊維のペクチンが豊富。
日本で栽培されているいちじくの8割は、明治時代に桝井光次郎がアメリカから持ち帰った品種「桝井ドーフィン」で、完熟した物を生で食べることが多い。宮城県では主に9~10月頃に熟す加工用の「ブルンスウィック」という品種が栽培されている。そのため、宮城県では生食よりも砂糖と少量のレモン汁で煮詰めるいちじくの甘露煮が一般的で、各家庭でたくさん作って瓶詰めにして楽しまれていた。
歴史・文化、関連行事
いちじくは紀元前からある果物で旧約聖書にも記述がある。原産地はアラビア南部とされ、6000年以上前から栽培が始まったと言われている。日本には「中国を経て長崎に伝来した」という説があり、薬用として用いられていた。
製造方法
いちじくは洗って軸をきれいに取り除き、あくを取るために熱湯で1~2分軽くゆでてザルにとり水気をきる。鍋にいちじくと砂糖を入れて火にかけ、砂糖が溶けたら弱火にして好みの固さになるまで煮詰める。最後にレモン汁を加えて完成する。好みによって煮詰める前に薄皮を取ったり赤ワインを加えたりする場合もある。煮込み過ぎるといちじくの実が割れ崩れるので注意が必要となる。
保護・継承の取り組み
9~10月にかけて八百屋やスーパーなどで加工用の青いいちじくが販売され、各家庭で甘露煮が作られる。
昔から甘露煮用のいちじく栽培が盛んな丸森町では、高齢化による栽培農家の減少を防ぐため、新規栽培農家を募集し、技術指導やいちじくの苗木の配布を実施している。
また、いちじく栽培が盛んな山元町では、航空会社と連携し、仙台空港でいちじくやいちじくを使用したスイーツのPRと販売を実施している。山元町のウェブサイトでは宮城県立亘理高等学校家政科の生徒が考案したいちじくを活用したレシピ集を公開している。
主な食べ方
コトコト煮込み、冷ました物を冷凍保存すると1か月程度持つ。そのまま食べることはもちろん、アイスクリームと一緒に食べるのもおいしい。ヨーグルトなどにトッピングしたり、紅茶に入れるなどのアレンジを加えることも多い。各家庭で作られることが多く、知り合いなどに配られることも多い。