納豆(なっとう)
発酵食品
宮城県納豆(なっとう)
分類(大)
農産
分類(小)
豆類加工品
主な使用食材
大豆
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主な伝承地域
県内全域
食品概要(特徴・種類)
宮城県における大豆作付面積は、北海道に次いで全国第2位で、大豆主産地である。主に水田を活用して栽培されており、加工する食品ごとの特性を踏まえ、品種も複数生産されている。そのため、宮城県で製造される納豆は粒のサイズも豊富で、大粒のものから中粒、小粒まで様々な種類がある。
近年は、フリーズドライ加工した乾燥納豆や粉末納豆も製造されており、納豆が苦手な人や、お年寄りから子どもまで、多くの人が楽しめるような商品もある。また、パウダー状にした納豆を米粉に混ぜた納豆米粉麺なども販売されている。
歴史・文化、関連行事
東北地方では古くから、水田で米を作り、あぜ道で大豆を作っていた。大豆は納豆だけではなく、豆腐や味噌の原料であり、近代化する以前、肉をあまり食べなかった日本人にとって、豊富なたんぱく質を含む大豆食品は、厳しい冬を乗り越えるための大事なスタミナ源とされていた。納豆は、昔は自家製のものが多く、堆肥の熱を利用して発酵させると一昼夜でできた。また、わら火で温めた畑の穴で4~5日、わらに包んで樽に入れて2~3日でできるなど、家によっていろいろな作り方があった。年の瀬には、納豆作りがよく行われ、お正月を中心に冬中よく食べられていた。
大正時代に入り、北海道帝国大学の半澤洵教授が純粋培養した納豆菌を使い、衛生的な容器で納豆を作る方法を発明した。その後、三浦二郎が半澤教授から教えを受け、「衛生納豆」の製造方法を習得し、さらに研究を重ねた結果、「三浦式醗酵室(むろ)」と呼ばれる温度や空気を調節できる発酵室の開発に成功した。1920年、仙台市に納豆と納豆菌の製造販売店である宮城野納豆製造所を創業し、納豆の近代的製法の確立に貢献した。この技術が全国に広まったことから、三浦二郎は「近代納豆の父」と呼ばれ、仙台の納豆は有名になった。昭和初期に建てられた宮城野納豆製造所の製造棟は、近代食品工場の労働環境を物語る建物として、2019年に文部科学省から有形文化財に指定された。
製造方法
蒸した大豆に納豆菌を散布し容器に詰め、温度と湿度を管理した室(むろ)でじっくり発酵させた後、冷却と熟成の工程を経て完成させる。シンプルな製造工程であるが、おいしくできるかどうかは発酵から熟成までの温度と湿度の管理にあると言われている。
保護・継承の取り組み
富谷市は、宮城の大豆食文化保護・継承プロジェクトを運営。宮城の大豆の歴史文化・生産流通を紐解き、地域への愛着や興味関心を高めることで、大豆の食文化の定着に努めている。
主な食べ方
ご飯に納豆をかけて食べるのが一般的であるが、明治時代以前は、納豆を味噌汁に入れて食べていた。米どころである宮城県は餅料理も多く、餅に納豆を絡める納豆餅もよく食されている。トースターなどで焼いた餅に、醤油や大根おろしなどで味付けした納豆を絡めて食べる。各家庭や個人の好みによって様々なアレンジ方法もある。他にも、なまり節の納豆和えなど、昔から様々な料理に利用されている。
アレンジレシピ:納豆汁(5人分)
材料
納豆(ひき割り)
100g
豆腐
1/2丁
にんじん
小1本(80g)
だいこん
1/4本(100g)
油揚げ
小1枚(30g)
ねぎ
10g
仙台味噌
60g(0.8%塩分)
だし汁
5カップ
七味唐辛子
お好みで
作り方
にんじん、だいこんはいちょう切り、豆腐と油揚げは1cm角切り、ねぎは小口切りにする。
鍋にだし汁とだいこん、にんじんを入れ、軟らかくなったら、豆腐、油揚げを加える。味噌を溶き入れ、よくかきまぜた納豆を加えて、沸騰する直前にねぎを入れて火を止める。
椀に盛って、七味唐辛子をふる。
提供元:高澤まき子