いくら醤油漬け(いくらしょうゆづけ)
北海道いくら醤油漬け(いくらしょうゆづけ)
分類(大)
水産
分類(小)
塩漬け
主な使用食材
筋子、醤油、塩
※ダウンロード可能な画像を使用する場合は「リンクについて・著作権」をご一読の上、
出典を農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」と明記し、ご利用ください。
なお、画像提供元の記載がある場合は画像提供元も併せてご記載ください。
画像提供元の記載例
【画像提供元の記載がない場合の記載例】
出典:農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」
【画像提供元の記載がある場合の記載例】
出典:農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」
画像提供元:〇〇〇
主な伝承地域
道内全域
食品概要(特徴・種類)
いくらは、北海道の代表的な海産物として全国でも認知度が高く、子どもから大人まで幅広い世代で人気がある。さけ漁が盛んな秋ごろに、スーパーマーケットにさけの卵の筋子が並びはじめ、道内の多くの家庭でいくらづくりが進められる。味付けの仕方は2種類あり、いくら本来の旨味や甘みを感じられる塩漬けと、調味料で味を付ける醤油漬けがある。一般の家庭では、醤油漬けをつくることが多い。いくらのぷちぷちと口の中で弾ける食感とまろやかな味わい、醤油による程よい塩気が道内に限らず全国でも人気の郷土料理である。
歴史・文化、関連行事
平安時代に醍醐天皇の命により編纂された「延喜式」(905年)には、さけとその加工品として筋子が食べられていたことが記されている。また、江戸時代に出版された「本朝食鑑」(1697年)によると、塩漬けにした筋子をほぐして粒状にし、乾燥させて保存食としていたと記述されている。筋子を塩漬けにして、現在のいくらと同じように生の状態で食べていたようだが、当時は筋子といくらを区別する名称はなかったという。いくらという名称は、明治時代にいくらの語源となるロシア語が伝わってからだと言われている。しかし、その伝わり方には諸説あり、日露戦争の際に捕虜となったロシア人から伝わったという説や、北洋での漁業が盛んになった際にロシアとの交流から伝わったという説などがある。大正時代には、粒いくらの製造がはじまり、その後、日本に広まったとされる。
製造方法
鮮度の良い生筋子を塩水の中に入れ、指の腹を使って、優しく薄皮から卵をほぐす。醤油と酒を好みに応じて分量を調整し、混ぜ合わせる。その液体にほぐした卵を入れ、さっと混ぜた後、冷蔵庫で一晩漬けておき、味をなじませる。家庭によっては、使う調味料がさまざまで、醤油のみ用いる家庭や、酒やみりんの代わりにかつお出汁や昆布出汁を使う家庭もある。晩秋につくったいくら醤油漬けは、密封して冷凍しておけば、正月まで食べることが可能である。
保護・継承の取り組み
スーパーマーケットなどで、出来上がったものを買うこともできるが、一般家庭でもつくられており、各家庭でそれぞれの味付けが伝承されている。また、いくら醤油漬けは、幅広い年代に人気があり、北海道の土産やお取り寄せグルメとしても親しまれている。
主な食べ方
温かいごはんにかけていくら丼にしたり、いくらとさけの切り身やフレークをのせて親子丼や、うにといくらの二色丼にしたりとアレンジも楽しめる。また、手巻きずしや軍艦巻きの具、酒の肴としても好まれている。