身延ゆば(みのぶゆば)
山梨県身延ゆば(みのぶゆば)
分類(大)
農産
分類(小)
豆類加工品
主な使用食材
大豆
※ダウンロード可能な画像を使用する場合は「リンクについて・著作権」をご一読の上、
出典を農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」と明記し、ご利用ください。
なお、画像提供元の記載がある場合は画像提供元も併せてご記載ください。
画像提供元の記載例
【画像提供元の記載がない場合の記載例】
出典:農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」
【画像提供元の記載がある場合の記載例】
出典:農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」
画像提供元:〇〇〇
主な伝承地域
身延町
食品概要(特徴・種類)
ゆばとは、大豆をしぼった汁・豆乳を煮立てた際、表面にできる被膜のこと。山梨では日蓮宗の総本山、身延山久遠寺とともに栄えてきた身延町の特産品、身延ゆばが知られている。
良質な植物性たんぱく質や脂質を含むゆばは、肉食を禁じられていた僧侶たちの健康を支える精進料理の一つ。身延ゆばもまた日蓮聖人の体を気づかった弟子たちが、消化吸収のよい栄養源として供したのが始まりとされ、聖人の入山以来、約750年の歴史をもつ伝統の味である。
なお、ゆばには生ゆばと、それを乾燥させた乾燥ゆばの大きく2種類がある。生ゆばには汲みあげたゆばを幾重にも重ねて厚みを出したものや、着物の帯のように折りたたんだものなど、いろいろな形状のものが揃う。豆乳の含み具合などに違いがあるため、同じ〝生ゆば〟と呼びながら、硬さも味わいもさまざまだ。
歴史・文化、関連行事
日本でのゆばの歴史は、約1200年前にまでさかのぼる。諸説あるが、平安時代の僧・最澄が、中国より「仏教」「茶」とともに持ち帰ったともいわれ、その後、日本全国に精進料理として広まった。
一方、身延ゆばの始まりは約750年前の鎌倉時代。日蓮聖人の身延入山がきっかけとされる。米の栽培には適さない山梨だが大豆を含む雑穀栽培は盛んだったこと、富士山の伏流水に恵まれていたこともあり、ゆばとの相性はよく、深く根付いていった。
なお、最近は明治時代に関西地方から導入され、曙地区で広まった身延町の誇るブランド大豆「あけぼの大豆」を使ったゆばもつくられるようになり、人気が高い。大粒で甘みの強いあけぼの大豆は昼夜の寒暖差が大きく、霧が多く発生する気象条件のもと、手作業で生産されるため、幻の大豆の異名をもつ。
製造方法
大豆を約半日浸水し、水分を含んだまま粉砕する。それを釜で煮立たせ、できた液体(豆乳)を濾して、特殊な平鍋に移して加熱する。表面に張った膜を一枚一枚丁寧に棒で引き上げると、生ゆばができる。そして、その生ゆばを乾燥させたものが乾燥ゆばとなる。
保護・継承の取り組み
ゆば料理を提供する食事処を併設する「みのぶ ゆばの里」(身延町相又)では、ゆばを含む県内・町内産の産品が豊富に揃い、ゆばの製造体験なども行える。
また、県内全域の多くの飲食店でゆば料理が提供されるほか、スーパーや道の駅、インターネットなどでも購入できる。
主な食べ方
ひと口大に切ってわさび醤油やしょうが醤油等で食べる刺身が、とくに人気。生ゆばならではのトロッとした食感と大豆のうま味がストレートに味わえる。ほか、淡白な味わいを生かし、季節の野菜と合わせた酢の物や和え物、汁物や煮物など、さまざまな料理に使われている。