いももち
北海道いももち
分類(大)
農産
分類(小)
穀類
主な使用食材
じゃがいも、片栗粉
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主な伝承地域
道内全域
食品概要(特徴・種類)
いももちは、生産量日本一を誇る北海道のじゃがいもを原料に、古くから家庭で親しまれている郷土食で、いもだんごと呼ぶ地域もある。全国各地にいももちと呼ばれる料理があるが、地域ごとに使われる芋の種類や調理方法は異なっている。じゃがいもは一年を通して入手できるため季節を問わず食されており、餅のようなもちもちとした食感が特徴。使用するじゃがいもの品種は、甘みと粘りが強い男爵芋やキタアカリが適しているとされる。
歴史・文化、関連行事
北海道のいももちは、開拓の歴史とともにあると言われる。明治維新後に始まった北海道の開拓は当初、寒冷な気候に適した稲作の生産技術が確立されていなかったため、食料不足という重大な問題を抱えていた。そこで、育てやすいじゃがいもが米の代わりになるよう栽培され始めた。餅をつくるときに、米の代替としてじゃがいもを使用してつくられたものがいももちの起源とされる。その後、高カロリーないももちは開拓者たちのエネルギー源として重宝されるようになり、調理が簡単でおいしいことから庶民の間にも広まったという。食料難だった戦時中や戦後にも重宝され、現在では定番のおやつとして幅広い世代に愛されている。
製造方法
調理方法はいたってシンプルである。まず、蒸したり茹でたりしたじゃがいもの皮を剥き、木べらなどを用いてじゃがいもがなめらかになるまで潰す。そこに片栗粉をまんべんなく加えてよく混ぜ、粉気がなくなったら丸く形成する。フライパンにバターを入れ、表面がキツネ色になるまで焼いたら完成。なお、片栗粉は江戸時代ではカタクリという花の根を原料として作られ、幕府への献上品として取り扱われていた。その後、ばれいしょのデンプンを代用するようになり、一般向けに生産販売が開始されたのは1880年代初めとされているため、片栗粉が一般に出回るまでのいももちは、じゃがいものみでつくられていたという。蒸したじゃがいもを潰した後に粘りが出るまですり鉢ですり、粘りが出たら形成し焼くという調理法でつくられていた。
保護・継承の取り組み
今でも手軽なおやつとして食べられており、飲食店や空港、高速道路のサービスエリア、物産展などでも販売されている。最近では、いももちの冷凍食品やチルド食品、水と混ぜるだけで簡単に調理できるいももちの粉などが通信販売やスーパーマーケットなどで販売されるようになり、全国で手軽に食べられるようになった。また、行者にんにくやチーズ入りなど、北海道産の食材を使用しアレンジしたいももちが、お土産用に販売されている。
主な食べ方
砂糖と醤油を混ぜた甘辛ダレを用いたみたらし風が一般的だが、地域や家庭によって塩味や胡麻ダレにつけて食べるなど、味付けはさまざまである。また、中にチーズや明太子を入れて焼いたり、揚げたりして食されるなど、アレンジ方法は多岐にわたる。汁物にいももちを入れた料理は「だんご汁」と呼ばれ、北海道では学校給食の定番料理となっている。
アレンジレシピ:いももちみそ汁
材料
いももち
6個
出汁汁
400ml
みそ
大さじ2
青ねぎ(小口切り)
適量
作り方
鍋に水、和風だしを入れて沸かし、いももちを加えて弱火で柔らかくなるまで加熱する。火を止め、みそを加えて溶き、再び火にかけて中火であたためる。
器に盛り、青ねぎをかける。