伊勢ひじき(いせひじき)
三重県伊勢ひじき(いせひじき)
分類(大)
水産
分類(小)
海藻製品
主な使用食材
ひじき
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主な伝承地域
伊勢志摩地域
食品概要(特徴・種類)
伊勢ひじきとは、伊勢志摩地域で生産された干しひじきのこと。三重県は古くからひじきの産地として知られ、ひじき加工品は全国トップクラスの生産量を誇る。伊勢湾の沿岸部には岩場の多い遠浅の海が広がり、栄養に富んだ海水と太平洋の清らかな海水が混じり合い、ひじきの生育に最適な環境をなしている。
伊勢ひじきは、長く、太く、風味がよいと評される。原材料となるひじきの収穫は、主に3~5月頃に行われる。この時期の潮が引いたタイミングを見計らい、岩場に育ったひじきを刈り取る。収穫したひじきは、一度乾燥させ、蒸して加熱する伊勢の伝統的な「蒸し製法」によって加工されるのが特徴である。茎は「長ひじき」、葉は「米ひじき(芽ひじき)」と呼ばれ、「米ひじき」は量が少なく珍重される。伊勢産のひじきは米に相当するほど高価なものということから、そう呼ばれるようになったと言う。
歴史・文化、関連行事
リアス式海岸をかかえる三重県、特に伊勢志摩地域はひじきの産地として長い歴史をもつ。この地でひじきの生産が盛んに行われるようになったのは、ひじきの自生に適した海があったこと、また豊かな真水、広い干し場、自然乾燥に最適な気候などの加工に欠かせない条件が揃っていたことからと考えられる。文献に登場するのは江戸時代の初期、寛永15年(1638年)発行と言われる「毛吹草」(俳諧の理論や各地の名産品を紹介)の中で、すでに伊勢の国の名産品として「鹿尾菜(ひじき)」が紹介されている。
流通網が拡大するに伴って寛政年間(1789~1800年)の頃には、伊勢産のひじきは全国的に知られるようになった。伊勢ひじきの名前もこの頃、江戸でその名で売り出されたのが始まりと言われている。
製造方法
収穫したひじきを、産地でいったん天日乾燥させる。加工場に運び入れ、水戻しと水洗い、同時に塩抜きを行う。その後、高温でしっかりと蒸しあげ、再び乾燥させ、ゴミなどの不純物を落とし、包装して小売店に出荷される。蒸しあげる時間や細かい工程はメーカーによって異なる。
一度乾燥させ、蒸して加熱するのが「伊勢方式」の特徴である。茹でずに蒸すことで、水溶性の旨味成分や栄養成分の流出を防ぐとともに、もっちりとした食感を生む。
保護・継承の取り組み
三重県ひじき協同組合は昭和59年、「健康によいひじきを食べて長生きしてほしい」という願いを込め、9月15日(旧敬老の日)を「ひじきの日」に制定した。
また、伊勢ひじきは、地域特性を活かした優れた生産品として「三重ブランド」の認定品目となっている(加工販売を行う、北村物産株式会社とヤマナカフーズ株式会社もセットで認定)。
国内に流通するひじきの大半を輸入品(韓国産・中国産)が占める現在、伊勢ひじきのさらなる普及に向け、地域のひじき生産・加工会社が伊勢ひじきの魅力発信に注力している。県内各地の飲食店では伊勢ひじきを使用したメニューが提供されている。
主な食べ方
他の食品と組み合わせて使用されることが多い。ひじきごはん、煮物、酢の物などがあるが、他にもサラダ、白和え、炒め物など、多彩なアレンジレシピが楽しまれている。伊勢ひじきの製造販売会社や三重県漁業協同組合連合会、三重県Webサイトなどでは、さまざまなレシピが公開されている。