伊勢うどん(いせうどん)
三重県伊勢うどん(いせうどん)
分類(大)
農産
分類(小)
穀類
主な使用食材
伊勢うどん、伊勢うどん用たれ(つゆ)(これの材料は、昆布、鰹節、雑節、みりん、たまり醤油、砂糖)
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主な伝承地域
伊勢志摩食文化圏(伊勢市、鳥羽市)
食品概要(特徴・種類)
伊勢うどんは、通常の3倍もあろうかという太くてもっちりとした食感の麺が特徴のうどんである。「コシがない」とも評される柔 らかい麺に緑の刻みねぎ を乗 せ、かつお 節や昆布 、煮干し、あるいは二 種類のかつお節とさば 節等 で出汁 を取り、伊勢地方特有の濃厚な溜まり醤油 で味付けされた真っ黒いたれ(つゆ)を少量絡めて食べる。
昭和43年(1968年)にゆで麺とたれが小袋化され、それ以前は店でしか食べられなかった伊勢うどんが家庭でも手軽に食べることができるようになり、一気に普及した。現在ではスーパーマーケットでも売られ、一年中気軽に楽しむことができる。その独特の風味と食感から、現在では伊勢市とその周辺地域だけでなく県を代表するソウルフードとして親しまれている。
歴史・文化、関連行事
発祥は定かではないが、江戸時代以前から伊勢地方では、伸 ばす手間をかけずにコシの無 い太いうどんをつくり、これに地味噌 からできた「た まり」を絡ませて食べていたという。江戸時代になり伊勢参りが盛んになると、参拝客の疲労回復とエネルギー源として最適な食べ物としてうどんを提供する店が現れ、多くの参拝客 がいつでも食べられるようにと、つゆがたっぷりで具も多い一般的なうどんではなく、湯がいたうどんに少量の濃い醤油 だれをかけ、薬味ねぎを添えるだけのシンプルで早く食べられる伊勢うどんが誕生した。MIKIMOTOの創業者、御木本幸吉の実家は三重県鳥羽市で代々うどん屋を営んでおり、店には小皿が残されていた。そのことからも、当時は少しずつ小皿に取り分けて効率よく提供していたことがうかが える。
伊勢うどんという名前が定着したのは比較的新しい。それ以前は、ただの「うどん」とか「素うどん」とか「並うどん」と呼ばれていた。昭和40年代初め、有名な作詞家がラジオで「伊勢の珍しいうどんなので伊勢うどんというのがよい」と発言し、それを受けて昭和47年(1972年)に伊勢市麺類飲食業組合が統一名を決め、組合員向け献立表に記載したことから始まる。
伊勢市内には大正時代から続く店も含め伊勢うどんの専門店が複数存在し、独自のたれやメニューを提供し、その味と文化を伝え続けている。
製造方法
一般的に外国産の小麦と比べ、国内産の小麦のほう が風味やもっちり感を出すのに優れているため、伊勢うどんの特徴である柔 らかな食感を再現するには国内産の小麦を使うことが良 いとされる。特に三重県全域で生産されている「あやひかり」は、伊勢うどんに適しており 、自家製麺で提供する専門店や麺メーカーでも採用されている。
保護・継承の取り組み
伊勢商工会議所と伊勢うどん協議会では、おいしいうどんの提供を目指す店舗を「本場のこだわりの伊勢うどんの店」と認定し、伝統の継承や魅力の向上に努めている。2023年には、伊勢うどんを地域の文化資源と再認識し、さらなる振興と継承に取り組み、国の登録無形民俗文化財への登録を目指す取り組みの一環として「伊勢うどんシンポジウム」が開催された。なお、伊勢うどんは、三重県製麺協同組合により2008年に地域団体商標として登録されている。
主な食べ方
生麺の太さは普通のうどんの3倍はあろうかという太いものなので、伊勢うどん特有の柔 らかさにまで茹 でるには小1時間ほども茹 でなければならない。そのため、市販品は「茹 で麺」の形で売られている。たれ(つゆ)は近年では市販品を利用することが多い。店によって微妙に味が異なるため、お好みの味を探すとよい。なお、最近はたれの量が多く、真っ黒なたれがつゆに近い量で かけられているが、30~40年ぐらい前までは より粘りの強いたれが丼底にわず かに溜 まっている盛り付け方であった。近年では、夏には冷やしうどんを提供する店も多い。また、トッピングにも工夫が凝らされ、伊勢うどんの独特な麺をいかしたアレンジメニューも数多く開発されている。
アレンジレシピ:伊勢うどん
材料
伊勢うどん
2玉
伊勢うどんのタレ
適量
卵
2個
青ねぎ(小口切り)
適量
作り方
鍋にたっぶりのお湯を沸かし、うどんを入れる。 再度沸騰してから2~3分茹でて湯を切る。
器にうどんを入れてタレを絡めて、卵、青ねぎをのせる。