板わかめ、めのは(いたわかめ、めのは)
島根県板わかめ、めのは(いたわかめ、めのは)
分類(大)
水産
分類(小)
海藻製品
主な使用食材
わかめ
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主な伝承地域
日本海沿岸部
食品概要(特徴・種類)
わかめは、一部を除く日本周辺の海域に生息し、海に面したほとんどの県で収穫することができる。収穫したばかりの生わかめを水洗いして板状に並べて乾燥させたのが、山陰地方でよく食べられる板わかめである。島根の豊かな森林から日本海に流れ込む森の栄養素で育ったわかめは、3~5月に収穫され、乾燥加工された後出荷される。調理や味付けを一切行っていないため、わかめ本来の風味や旨味が損なわれず、ヨウ素、カルシウムなどの海洋ミネラル成分が豊富で栄養価が高い。向こう側が透けて見えるほど薄く、磯の香りやパリパリとした食感を楽しむことができる。
乾燥してあるため賞味期限は長く、1年を通じて食べることができるが、中でも3~4月頃に店頭に並ぶものは新芽を使った板わかめで、特においしいとされている。
歴史・文化、関連行事
わかめは733年に完成した「出雲風土記」にもその利用についての記載があり、出雲市大社町の日御碕神社では和布刈(めかり)神事と呼ばれるわかめにまつわる行事が行われるなど、出雲地方では古くから馴染みのある食材である。
元々日本全国で天然のわかめが食されていたが、1955年頃、東北地方で養殖技術が開発され、全国へ普及していった。島根県での養殖は1974年の約3,300tをピークに、2009年には10分の1にまで減少した。一時は献上品として昭和天皇もお気に召された品であったが、現在では山陰地方を中心に食され、全国的にはあまり出回っていない。
製造方法
天然のわかめは春に放出された種が岩場などに付着し、海中の栄養分を吸収しながら生長し、翌年の3~5月に収穫される。養殖のわかめは、春にわかめの種を糸に付着させて陸上の水槽で管理し、秋になり海水温が下がると海上の養殖場に移す。その後、豊富な海中の栄養分を吸収して生長したわかめは翌年の春に収穫される。
刈り取ったわかめは収穫後4時間以内に水で丁寧に手洗いする。その際、わかめの旨味が抜け落ちないよう細心の注意が必要となる。洗い終わったわかめは、すだれ状の板に1本1本その葉を広げながら並べる。こうして並べたわかめは24時間かけて低温でじっくりと乾燥させ、板状の板わかめが完成する。
保護・継承の取り組み
養殖業者の高齢化や夏場の種糸管理の煩雑さから1970年代半ばから養殖業者が減少傾向にあった。そうした状況を受けて、松江水産事務所では養殖業者への積極的な支援に取り組み始めた。2008年には出雲市鷺浦地区で15年ぶりに試験養殖が復活し、地元でも大きな話題となった。また2010年には、養殖業者への新たな養殖技術の普及と加工技術の記録を目的に、「わかめ養殖マニュアル」「わかめ加工マニュアル」を作成し、養殖作業の省力化と技術継承を進めている。
主な食べ方
潮の香りと程よい塩味、旨味を備えた板わかめは様々な食べ方を楽しむことができる。そのまま食べたり、手でパラパラに砕いてご飯にふりかけたり、ストーブ等で軽く炙って食べるなど、食感を生かした食べ方がおすすめ。酒のおつまみやお茶請けとしても親しまれ、薬味として豆腐や味噌汁に振りかけたり、サラダなどの料理に混ぜたり、色々な食材や料理との相性も良い。
アレンジレシピ:板わかめたっぷりサラダ
材料
板わかめ
75g
サニーレタス
2枚
ミニトマト
6個
しらす
15g
和風ドレッシング
大さじ2
作り方
サニーレタスは一口大にちぎり、ミニトマトは半分に切る。
器に板わかめ、1を盛り、しらすをちらし、ドレッシングをかける。