ジビエ加工品(じびえかこうひん)
山梨県ジビエ加工品(じびえかこうひん)
分類(大)
畜産
分類(小)
畜産加工品
主な使用食材
シカ肉
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画像提供元の記載例
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出典:農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」
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画像提供元:〇〇〇
主な伝承地域
甲府市千代田地区、早川町、富士河口湖町、小菅村、丹波山村ほか
食品概要(特徴・種類)
ジビエとは、狩猟で得た野生鳥獣の食肉のこと。野生鳥獣による農林業被害が深刻化するなか、捕獲したニホンジカやイノシシなどの肉を料理や加工食品の素材として活用する特産品づくりや、地域振興に活かす取り組みが広がっている。
山梨県でも衛生面などの基準を満たした施設で適切に処理されたシカ肉を、「やまなしジビエ」として認証する制度を設け、安全・安心なシカ肉の流通を推進。それにより、シカ肉を使ったレトルトカレーやシカ肉がゴロゴロ入ったコロッケ、シカ肉のソーセージなど、日常に使いやすい加工食品が増え、家庭や飲食店で幅広く利用されるようになった。
野生鳥獣はエサが少なくなる冬に向けて栄養を蓄えるため、秋の食肉がとくに美味だとされる。野山を駆け巡ってきた獣たちの肉は脂肪が少なく引き締まり、低カロリー・高タンパク。加工品となっても噛むたび肉本来の力強いうま味をあふれさせる。
歴史・文化、関連行事
約8割が山林という山梨県ではかつて、農作物だけでは越冬に十分な食料を確保することができなかったため、とくに笛吹川上流地域の三富地区では命を繋ぐ糧として、シカ・イノシシ・クマといった山の幸を狩猟によって得てきた。鳥獣保護の施策が続けられた戦後も狩猟期には猟が行われ、ぼたん鍋やシカ肉のもつ煮のほか、余った肉は暖房用の木くずにコーヒーかすを加えた燻煙材チップを使うなどし、保存の効く燻製にして食べられてきた。
その知見・技術を活かし2018(平成30)年の農林水産省による「国産ジビエ認証制度」の制定に先駆けて、2017(平成29)年に独自の「やまなしジビエ認証制度」を創設し、認証を開始した。剥皮・内臓摘出後は1頭ごとに施設を洗浄し、ナイフも1頭ごとに83℃以上で消毒するなどの厳しいガイドラインを設け、基準を満たしたシカの肉をやまなしジビエと認証することで、安全なジビエの提供と、消費者や飲食・食品業界のジビエに対する安心感につなげている。
なお、やまなしジビエを利用した製品のパッケージには、やまなしジビエ認証マークをつけることができる。
製造方法
ソミュール液(水、塩、三温糖、醤油、ウイスキー、好みの香辛料・ハーブ類)をひと煮立ちさせて冷まし、シカ肉を漬け込んで一昼夜置く。翌朝、漬け汁を切り、風が通るようネット等に入れて軒下などに吊るし、夕方まで日陰に干して水分を抜く。容器に移したシカ肉が浸かる程度に赤ワインを注ぎ入れ、一昼夜から二昼夜漬け込み、翌朝、ワインの水分を切って半日日陰干しにする。途中、まんべんなく煙がまわるよう返しながら、100℃に熱した燻製器で約2時間燻す。そのまま2~3時間放置し、ざるに移して紙のふたをかけて一晩置き、熟成させる。
保護・継承の取り組み
官民それぞれに、ジビエ活用にまつわるセミナーや研修会等を開催するほか、実際に山に入り、狩猟・解体・試食の体験ができるワークショップなども行われている。
また、毎年秋冬に開催される県主催の「やまなしジビエフェア」では、高タンパク・低脂肪・低コレステロールといったジビエの特性を広く伝えるとともに、県内各所から集結した人気レストランが自慢のジビエ料理を提供。ジビエのおいしさ・ヘルシーさをアピールする場となっている。
なお、シカ肉を使ったレトルトカレーなどの加工食品は、インターネットでも気軽に購入することができる。
主な食べ方
シカ肉の燻製は薄く切り、わさびや黒こしょう等で、ソーセージはグリルしてからしをつけるなど、いずれもシンプルに食べられる。