じろあめ
石川県じろあめ
分類(大)
その他
分類(小)
菓子類
主な使用食材
米、大麦、水
※ダウンロード可能な画像を使用する場合は「リンクについて・著作権」をご一読の上、
出典を農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」と明記し、ご利用ください。
なお、画像提供元の記載がある場合は画像提供元も併せてご記載ください。
画像提供元の記載例
【画像提供元の記載がない場合の記載例】
出典:農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」
【画像提供元の記載がある場合の記載例】
出典:農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」
画像提供元:〇〇〇
主な伝承地域
能登町、金沢市
食品概要(特徴・種類)
じろあめとは、米と大麦のみで作られた昔ながらの水あめのことである。やさしい 甘さが特徴で、そのまま食べるだけでなく、野菜・魚の煮つけやつくだ煮 、あんこの製造に使われるなど、料理の隠し味としても欠かせない糖化酵素食品である。合成保存料や人工甘味料は一切使用していないため、乳児や高齢者でも安心して味わうことができる。
歴史・文化、関連行事
じろあめは栄養価が高く、昔から乳児の保育や妊産婦・病人の体力回復などに用いられてきた。じろあめの名称は、金沢の方言で“やわらかい”を意味する“じるい”がなまったのが由来と言われる。凶作や飢饉で食べ物が不足していた天保元年に、もとは米穀商であった俵屋の創業者・次右衛門が、母乳が出ずに困っていた乳幼児の母親たちを見るに見かねて、母乳に代わる栄養価が高い食べ物として作り上げたのが「じろあめ」の始まりだと言われている。現在でもじろあめにまつわる民話が残っているほど金沢の人たちに馴染み 深いお菓子となっている。料理の隠し味として使うと、味にコクと深みが生まれたり、素材の艶がよく なったり、魚の身を引き締め、臭み がとれたり する。また、じろあめをさらに煮詰めて固めた「おこしあめ」は、そのまま食べたり、料理の隠し味として使われたりしており、砂糖が貴重で手に入らなかった時代からの庶民の知恵が根付いている。
製造方法
4日間かけて製造する。まず、十分に洗った米を大きな桶 の中に一 晩つけ 、水分を吸収させる。翌日それを蒸し上げ、乾燥させて砕いた麦芽と一緒に混ぜ合わせながら適量の湯とともに糖化を促す。一定量乳化したところで米・麦芽の抜け殻と乳化液を分離させ、大きな圧力盤で絞り 出し、一 晩寝かせて糖化液を作る。次に、寝かせた糖化液を蒸発釜で炊き上げて水分を蒸発させ、水飴 の硬さを調整する。水飴 は、夏は硬め、冬は柔らかめ といった具合に、季節ごとに硬さを変えている。さらに一 晩寝かせ、あら熱 がとれたら 完成である。常温で一 年程度保存できる。
保護・継承の取り組み
地元の飴 屋で現在も製造、販売されている。じろあめ発祥の老舗飴 店「俵屋」では、創業以来の製法を一家相伝で受け継いでいる。
主な食べ方
竹の棒で飴 をすくい、くるくると巻き付けて食べるのが一般的な食べ方である。また、飴 炊きやつくだ煮 などの料理や離乳食の隠し味としても使用されている。他にも、じろあめをお湯で溶いて冷やし、しょうが やレモンを入れた「冷やしあめ」は夏バテ防止の飲み物としても知られる。冬は湯としょうが を混ぜ、体を温める飲み物として、季節に応じて使用できる万能食材である。