加賀棒茶(かがぼうちゃ)
石川県加賀棒茶(かがぼうちゃ)
分類(大)
その他
分類(小)
飲料
主な使用食材
茶葉
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主な伝承地域
県内全域
食品概要(特徴・種類)
加賀棒茶はお茶の木の上質な茎の部分を焙煎して作られ、芳ばしい香りと自然な甘味が特徴。加賀棒茶の香りには、いろいろな香り成分が含まれている。中でも一般的にほうじ茶とよばれる葉ほうじ茶よりも焙煎の香り成分(ピラジン類)や花の香り成分(ゲラニオール、リナロール)が多く含まれるため、香ばしさがより際立つ。また、焙じ具合により「浅炒り」、「中炒り」、「深焙じ」の3種類に分けられる。焙じを浅くすると旨み成分が多く残り、お茶本来の味わいを強く感じるお茶となり、焙じ具合を深くすると、徐々に焙じ香が強くなるとともに甘みが加わるお茶となる。
歴史・文化、関連行事
江戸時代、加賀藩の三代藩主前田利常は小松城に隠居後、裏千家の始祖である千仙叟室を招き、茶道文化の発展を支援した。また、産業振興の一つとして加賀藩内に茶樹植栽を奨励して以降生産が拡大し、明治期には石川県は全国でも有数な茶葉の生産地となった。幕末になると輸出がさかんになり、明治期には国内生産の8割が海外に輸出されるようになった。そのため、庶民にとって加賀のお茶は贅沢品となってしまった。そこで明治35年、金沢の茶商・林屋新兵衛が長期保存のために茶葉を乾燥させる過程でできる、副産物の茎部分の有効利用方法を開発。茎を焙じて炒った「加賀棒茶」を販売したところ、独特の香りと味わい、庶民的な価格から大人気となった。その後、製法が公開されたことで県内に広く普及し定着した。また、昭和 58 年には加賀棒茶が昭和天皇に献上されている。
製造方法
茶摘み、蒸す、揉む・乾燥、選別、焙煎の順で作られる。まず、摘んだ茶葉を茎と一緒に蒸して熱を加える。続いて、茶葉の成分を水に溶け出しやすくするためよく揉み、長期保存させるため乾燥させ荒茶を製造する。次に、加賀棒茶となる茎の部分の選別を行う。この工程で、仕上がりの風味をよくするため、荒茶に含まれる硬い葉や木茎、粉なども取り除き、最後に焙煎を行う。焙煎の方法は3種類あり、鉄製の回転ドラムを直火で加熱し焙煎する「直火焙煎」は、茎の表面からの伝導熱によりお茶の風味を中に閉じ込めるため、豊かな味わいに仕上げることができる。熱した砂に茶をくぐらせて焙煎する「砂炒り」は、石焼き芋と同じように輻射熱により内側まで火が通るのでふっくらと香りが立つのが特徴。加熱したセラミックから放射される遠赤外線で、短時間で茎の内部から加熱する「遠赤外線焙煎」は、浅煎りに適した比較的新しい焙煎方法でもある。
保護・継承の取り組み
県内数十社がそれぞれ独自の方法で加賀棒茶を自家焙煎し、その味を高め合っている。
主な食べ方
急須で淹れる場合、急須に加賀棒茶を大さじ2杯程度入れ、熱湯300cc程度注ぎ25秒ほど待って注ぐ。水だしで淹れる場合、ガラスのポットに加賀棒茶大さじ4杯ほどと1L程度の水を注ぎ、冷蔵庫で3時間ほど冷やす。やかんで沸かす場合、水2L程度入れたやかんを火にかけ、沸騰したら加賀棒茶大さじ2杯ほど入れて火を止める。香りを逃さないよう蓋をして20分以上置き、粗熱をとる。
アレンジレシピ:加賀棒茶のミルクティー
材料
加賀棒茶
大さじ3
牛乳
200ml
作り方
鍋に加賀棒茶、牛乳を入れて、中火で沸々してきたら火を止めて、茶漉しで漉す。
カップに注ぎ入れる。お好みで砂糖などを入れて甘くしてもOK