加賀麩(かがふ)
石川県加賀麩(かがふ)
分類(大)
農産
分類(小)
その他農産加工品
主な使用食材
小麦粉、え米粉、米粉など
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主な伝承地域
加賀地方
食品概要(特徴・種類)
加賀地方の特産品として知られる麩の総称で、生麩、すだれ麩、焼麩に分けられる。生麩はもち米粉を使用しているため、もっちりとした食感で口当たりがよい。よもぎ、あわ、黒ごま、かぼちゃ、昆布の味が定番。低カロリーで高たんぱく、さらに消化吸収力が高いためヘルシーな食品として幅広い年齢層の人に親しまれている。すだれ麩は米粉を使用しており、食感が独特。すだれに包んで茹でることからこの名がついたとされる。焼麩は小麦粉を生地に使用し焼いたもの。焼麩の代表格は、棒に巻き付けて焼く車輪のような形の車麩である。
歴史・文化、関連行事
江戸時代中期、グルテンを麩と呼び、麩を焼く、炒めるなどして調理していた。グルテンは煮ると分散するという欠点があり、この欠点に着目した加賀藩前田家の料理人であった舟木伝内らは、もち米粉や米粉を加え煮崩れしない加賀麩を誕生させたと言われている。1775年に東北地方で書かれたレシピ集「調菜録」や、1786年に九州日田の料理人が書いた「献上料理集」にすだれ麩が記載されていることから、広く知れ渡っていたことがわかる。
製造方法
水を加えた小麦粉に、にがりを入れ長時間こねると、ネバネバした弾力のある固まりグルテンと白い水に分離する。グルテンにもち米粉を加え色付けをし、よもぎなどを混ぜ、蒸しあげたものが生麩である。グルテンに米粉を加え、すだれに包み茹でたものがすだれ麩、グルテンに小麦粉を混ぜて焼いたものが焼麩になる。車麩はグルテンに小麦粉を混ぜた生地を長い棒に巻き直火で焼き、それをくり返すことで作られる。
保護・継承の取り組み
加賀麩の製造、販売を行う業者では、多くの人に加賀麩を親しんでもらうため、親子で麩を使ったスイーツ作りを体験するイベントを開催している。ほかにも、麩を用いた新しい料理のレシピ公開、カフェの運営なども行っており、麩に親しむきっかけを積極的に作っている。
主な食べ方
生麩は田楽、鍋物、炊き合わせ、お吸い物、揚げ煮、蒸し物、天ぷらなど多彩な料理に使用されており、淡泊な味わいでどんな味付けにも合う。生麩を使ったまんじゅうもあり、栗や梅、季節の果物を入れたもの、紫いもや抹茶を生地に練り込んだものもあり、季節を楽しむこともできる。焼麩はさまざまなものがあるが、特徴的なものは車麩。日常的に食されてきた卵とじや、近年は金沢おでんの具材として使用されている。すだれ麩は金沢の郷土料理「治部煮」、茶碗蒸し、すきやき、炊き合わせ、炊き込みご飯、ちらしずしなどに使用されている。麩自体に味はないが、だしをよく吸うため汁物や鍋物などに使われることが多い。