寒漬け(かんづけ)
発酵食品
熊本県寒漬け(かんづけ)
分類(大)
農産
分類(小)
漬物
主な使用食材
大根、塩
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画像提供元:〇〇〇
画像提供元:熊本県
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主な伝承地域
芦北・水俣地域
食品概要(特徴・種類) 食品の特徴、製品の種類、喫食方法、季節性など
寒漬けは、生のだいこんを冬の冷たい風にさらしてつくる芦北・水俣地域の特産「寒干しだいこん」を使ってつくるしょうゆ漬けの漬物である。寒干しだいこんを塩抜きし、刻み、調味液で漬けたものである。コリコリとした食感と独特の風味が特徴である。
秋から冬に仕込む保存食で、年間を通して食されている。
歴史・文化、関連行事
だいこんを寒風にさらす際は、地域に豊富にある竹で竹串をつくり、だいこんの首にひもを通して、軒先の干し竿などに吊るす。冷たく乾燥した冬の風と、竹の防腐効果や殺菌作用を活用した暮らしの知恵と言える。このだいこんを干す光景は11月下旬~3月頃まで見られ、芦北・水俣地域の風物詩となっていた。
現在は、干す作業をする人は少なくなり、だいこんを干した状態のものが製品として販売されている。これらを加工し、好みの味付けにすることが多い。 地元のスーパーや物産展で販売されている。
製造方法
だいこんを10日間程干し、「干しだいこん」をつくる。だいこんの水分が抜けてしんなりし「つ」の字のようになったら、塩をまぶしておけで漬ける。重しをして20日程度漬けたら取り出し逆さにして1か月程干す。干しあげた大根を保存する(寒干しだいこん)。
寒干しだいこんを水に20分くらいつけてやわらかくなったら、薄く切り、さらに水で塩抜きし、水分を切る。醤油、砂糖、酢などの調味液で味付けをし、3日程漬けて、味が染みてから食べる。
保護・継承の取り組み
道の駅やスーパーマーケットなどでは懐かしい故郷の味として並び、親しまれている。また、インターネットで購入することもできる。
芦北郡にある中学校では、地域の伝統食を受け継ごうと寒漬けづくりに取り組んでいる。だいこんの収穫から始め、1月に校内に大根 を干し、2月には調味液に漬ける作業を行う。調味液にはゆずこしょうを入れるなど工夫したものである。完成品は地元販売事業者と連携し、学校近くの店で販売したり、レストランなどで提供されたりするなど、一連の工程を体験し、地域の食文化を学んでいる。
熊本県による取り組みである、地域に伝わる郷土料理を伝える「くまもとふるさと食の名人」において、つくり方を体験教室やYouTubeなどで伝えている。
主な食べ方
ご飯のおかずとして、また、お茶請けやお酒のつまみとして食す。冷凍保存しておくと、風味と色味を損なわず保存することができる。