かしわもち
島根県かしわもち
分類(大)
農産
分類(小)
穀類
主な使用食材
もち米、あん、サルトリイバラの葉
※ダウンロード可能な画像を使用する場合は「リンクについて・著作権」をご一読の上、
出典を農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」と明記し、ご利用ください。
なお、画像提供元の記載がある場合は画像提供元も併せてご記載ください。
画像提供元の記載例
【画像提供元の記載がない場合の記載例】
出典:農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」
【画像提供元の記載がある場合の記載例】
出典:農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」
画像提供元:〇〇〇
主な伝承地域
県内全域
食品概要(特徴・種類)
かしわもちは、端午の節句の時期になると全国で作られる、あんの入った団子を柏の葉で包んだ伝統的な和菓子。島根でもかしわもちと呼ばれているが、近畿圏以西では柏の木が自生していないため、県内ではその代替品としてサルトリイバラの葉で作られたものが定着している。
かしわもちの呼び名は地域によって様々で、東部地域では「かたらもち」、大田を含む西部地域では「まき」、隠岐地方では「かたりまんじ」と呼んでいる。また、サルトリイバラの葉も、かたらの葉、まきの葉、かたりの葉など色々な名前で呼ばれている。
サルトリイバラはとげのあるツル植物で、そのとげにひっかかるとサルでも身動きが取れないという意味で「猿取り茨」という名前になったと言われている。
歴史・文化、関連行事
昔から男の子の誕生を祝い、健やかな成長を願う端午の節句の供物として全国で作られてきた。従来は5月5日に行われる行事だが、地域によっては忙しい田植えの時期と重なるため、1か月遅れの6月5日に催されることもある。
また、6~7月にかけて「泥落とし」と呼ばれる田植えの労をねぎらう行事でも振る舞われた。甘いあんの入ったかしわもちは、農作業で疲れた体を癒すごちそうであると同時に、農作業でついた泥を落として身を浄め、農神に祈りを捧げるという意味合いもあり、このことから「泥落とし団子」と呼ばれることもある。
この時期になると農作業が落ち着いた農家の女性たちは、山からサルトリイバラの葉を取ってきてかしわもちを作ったと言われている。
製造方法
もち米とうるち米の粉を水で溶いてこね、甘いあんを包んで団子状にしたものをサルトリイバラの葉で巻いて蒸す。あんの原料には小豆やソラマメなどが使われた。蒸したサルトリイバラの葉からは、良い香りが漂い食欲を掻き立てられる。
保護・継承の取り組み
日常の暮らしに溶け込んだ食文化として小腹が空いた時の間食や子どものおやつとして普段から食されている。
端午の節句が近づくと、地元の食料品店や飲食店で販売されている。現在でも、サルトリイバラの葉を取ってきて自家製のかしわもちを作る家庭は少なくない。
主な食べ方
既に蒸して食べやすくなっているので、サルトリイバラの葉をむいてそのまま食べる。時間が経って固くなっても蒸し直せば柔らかくなる。