カツオの生節(かつおのなまりぶし)
高知県カツオの生節(かつおのなまりぶし)
分類(大)
水産
分類(小)
節類
主な使用食材
かつお
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主な伝承地域
県内全域
食品概要(特徴・種類)
かつおの生節は捌いた生かつおを加熱処理して、燻製にした加工品である。かつお節との違いは、かつお節の場合は燻製の工程を10~15回ほど繰り返して天日干しするが、生節は燻製を一度しかしない。主に春に収穫される初かつおが使用され、身がしっとりとして旨味が凝縮されており、刺身状にして日常的に食されていることはもちろん、料理へも広く使われ、一年中親しまれている。その上、低カロリーかつ高タンパクな食品で、人間の体に欠かすことのできないアミノ酸を豊富に含み、栄養面にも優れた一品である。
また、かつおの生節と同様、高知県のかつお文化を知る上で欠かせない食品に、宗田節と土佐節が挙げられる。宗田節は土佐清水市で生産されているソウダガツオから作られるかつお節で、かつおに比べると血合いが多く、風味が濃厚でコクのあるだしがとれる。土佐節は枯節(かれぶし)と呼ばれる硬質なかつお節で、カビ付けと天日干しを繰り返して作られるのが特徴。300年以上前に紀州の漁夫が伝えた製法に、土佐市宇佐町出身の播磨屋亀蔵と宮尾左之助が改良を加え、改良土佐節を確立した。土佐節の中でも、長期熟成とカビ付けと天日干しの回数を多くしたものは本枯節と呼ばれ、その技術と伝統は現代に伝えられている。
歴史・文化、関連行事
かつおの生節の歴史は古く、寛永時代の「料理物語」には「生干」、延宝時代の「江戸料理集」には「なまりぶし」との記載が残っている。江戸時代以降、かつおやマグロの水揚げが多い地域で製造が盛んになり、高知県では太平洋に面した県中央部に位置する土佐市宇佐町で古くよりかつおの一本釣りが盛んであったことから、かつお節やかつおの生節をはじめとするかつおの加工品製造業が発展した。鮮度の落ちが早いかつおを日持ちさせる先人の知恵と技は、こうして現代まで受け継がれてきたのである。
また、生節は江戸っ子たちの間にも浸透し、「女房を質に置いても食え」と言われていたことからも、その人気ぶりをうかがうことができよう。
製造方法
鮮度の良いかつおを捌き、釜で茹でて硬い皮と骨を取り除いた後、燻製して完成。現在では燻製後すぐに真空パックして、高温加熱殺菌したものが売られている。
保護・継承の取り組み
高知県内では広く買い求めることができるほか、インターネットでの販売もある。2021年には和食文化国際会議が主催する事業で、小学校への出前授業と調理実習が行われ、生節の魅力を子どもたちに継承する活動をしている。
また硬質のかつお節である土佐節においては、2021年土佐節の加工技術製法が国文化財に指定された。
主な食べ方
刺身のようにスライスして、たっぷりのおろししょうがを添えて食する。ほぐして醤油やマヨネーズをつけておつまみとしても最適である。子どものおやつにも広く親しまれているほか、サラダ、酢の物、炒め物、煮物、汁物や炊き込みご飯とあらゆる料理に使われている。
アレンジレシピ:カツオの生節のおつまみ
材料
カツオの生節
80g
大根
80g
青ねぎ(万能ねぎ)
適量
ポン酢
適量
作り方
かつおの生節は食べやすい大きさに手で割く。大根は細切りにする。
器に大根を敷き、①のかつおをのせて青ねぎをかける。ポン酢をかけていただく。