キビナゴのほおかぶり
高知県キビナゴのほおかぶり
分類(大)
水産
分類(小)
その他水産加工品
主な使用食材
キビナゴ、おから、生姜、調味料(塩、醤油、砂糖、酢、)
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画像提供元:〇〇〇
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主な伝承地域
県内全域、宿毛市
食品概要(特徴・種類)
キビナゴのほおかぶりはお米の代わりにおからを使用し、酢漬けにしたキビナゴで包んだ握り寿司である。ちょうど、人がほおかぶり(頭から頬にかけて手ぬぐいで覆い隠す)している様子に見えることからこの名が付けられた。おからのやさしい甘みとほろほろとした食感が特徴で、小ぶりなため見た目も可愛らしい。
高知県西部、四国最南の海の玄関と呼ばれる宿毛湾はキビナゴの産地であることから、キビナゴのほおかぶりは宿毛市の特産品として知られている。昭和60年頃には年間3,000t以上の水揚げがあり、近年は漁獲量が減りつつあるものの、市内の飲食店や観光施設ではキビナゴのほおかぶりはもちろん、刺身、天ぷら、フライ、南蛮漬け、塩焼きなど、幅広く食されている。
歴史・文化、関連行事
お米の代わりにおからを使った寿司は、西日本、特に瀬戸内周辺に見られる。愛媛県東予の「いずみや」、広島県尾道の「あずま」、山口県北浦地域の「うの花きずし(唐ずし)」などと並んで、高知県では「たまずし」が古くから食べられてきた。
高知県では、おからのことを「おたま」と呼び、貴重なお米の代わりに豆腐の副産物であるおからを使ったのがこの料理のきっかけである。キビナゴを使ったキビナゴのほおかぶりはその一種。元々、四万十市に伝わるいわしを使った「ろくやた」というたまずしがあり、それをヒントに宿毛市の生産者グループが開発した。現在はキビナゴの主産地である宿毛市が特産品として宣伝に力を入れており、現在では商品化して販売するまでに至っている。
製造方法
キビナゴは手で腹開きにして、酢、砂糖、塩の調味料に漬け込む。おからはみじん切りにしたしょうが、砂糖、醤油、酢、塩を混ぜて弱火で炒める。おからが冷めたら団子状に丸め、酢で締めたキビナゴをかぶせる。
保護・継承の取り組み
キビナゴは現在、通年をとおしてそのおいしさを楽しめるよう、チルドだけでなく、急速冷凍したキビナゴのパック商品も開発されている。キビナゴのほおかぶりは地域の積極的なPRの成果もあり、2016年頃にはファーストクラスの機内食への採用や、コロナ禍以前には東京や京都の宿泊施設でも提供された。
主な食べ方
そのまま食すのが一般的だが、たまずしの名残から、飲食店及び産直所で売られているものには、いりごまやネギがかかっていることもある。