きんこ
三重県きんこ
分類(大)
農産
分類(小)
その他農産加工品
主な使用食材
隼人芋
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出典:農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」
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画像提供元:〇〇〇
主な伝承地域
志摩市
食品概要(特徴・種類)
大正時代から鹿児島で育てられていたさつまいもの一種である隼人芋(はやといも)を用いて作った干し芋で、「きんこ芋」とも呼ばれる。ねっとりとやわらかい食感で、素朴な甘みが楽しめる、自然の風味豊かな一品。
隼人芋は、カロテンを豊富に含み、果肉はオレンジ色をしている。志摩のやせた土地、海辺の畑でもよく育つため、この地でさかんに栽培されてきた。その隼人芋を、長期間保存するために煮切って天日に干し、保存食としたものがきんこである。古くから海女、漁師、子どものおやつとして重宝されている。一般的な干し芋は蒸してから干すが、きんこの特徴は茹でてから干すことである。そして1個1個に厚みがあり、ナマコを干して作るきんこと形状が似ているため、その名の通りきんこと呼ばれている。ただ古くから今のような形であったのか、またいつ頃からきんこと呼ばれていたのかは定かでない。
歴史・文化、関連行事
志摩地方の農家では古くからさつまいもの煮切り干しが作られていた。しかも昔は各家庭で5、6種類ものさつまいも(例えば、護国芋、農林1号、しろせんがん、七福、国宝など)を作り、米の少ない食生活に変化を持たせていたという。従って干し芋もいろいろな芋で作られていた。しかし昭和58年にふるさと特産育成事業(三重県単独事業)導入により、農協できんこの共販が始まり、品評会を経て、62年には隼人芋使用が勧められ、商品化される製品の均一化が図られるようになった。
近年は生産者の減少により、原材料となる隼人芋の生産量が減少傾向にある。
製造方法
10月頃に収穫した隼人芋を1か月ほど貯蔵して熟成させた後、11月から1月にかけての寒い時期に、きんこ作りが行われる。
隼人芋を煮てから蒸らし、縦に2~3等分に切り、1枚ずつセイロに並べて天日と潮風に当て、何度も表裏を返しながらじっくりと自然乾燥させる。乾燥させるうちに色が濃くなり、つやのあるべっこう色になったらできあがり。加工工程は大きく2つの方式があり、皮付きのまま煮る地域と、皮をむいてから煮る方式(農協方式)がある。
保護・継承の取り組み
きんこは、志摩市の優れた地域資源として市が認定する「志摩ブランド」に認定されている。また、きんこを原料として工夫をこらしたさまざまな加工品が、地元企業によって商品化されている。市が立ち上げた志摩市6次産業化推進協議会では、きんこをテーマの一つとし、平成25年からきんこの魅力や関連商品のPRに努めている。
主な食べ方
そのまま食べるのが一般的だが、きんこを使ったスイートポテトや生キャラメル、焼酎など、多彩なアレンジ商品も展開されている。