昆布巻き(こんぶまき)
北海道昆布巻き(こんぶまき)
分類(大)
水産
分類(小)
海藻製品
主な使用食材
昆布、さけ、ニシン、かんぴょう
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主な伝承地域
日高地方や沿岸部を中心とした複数の地域
食品概要(特徴・種類)
昆布巻きとは、さけやニシンなどの魚を昆布で巻いた料理である。北海道の昆布の生産量は全国でもトップクラスで、全国の生産量の90%を占める。昆布巻きには、日高地方でとれる繊維質が少なく柔らかい日高昆布が使われることが多い。現在では北海道だけでなく、全国各地でつくられる料理となった。昆布には食物繊維とミネラル、ニシンにはEPA、DHA、カルシウムが含まれていることから、栄養豊富な料理として親しまれ、惣菜、酒の肴、弁当など日常の食卓に並ぶことが多い。ふっくらと柔らかく炊きあげられた昆布巻きは甘辛い味わいから、世代を問わず好まれている。
歴史・文化、関連行事
昆布は、延喜16年(797年)の「続日本紀(しょくにほんぎ)」に記載があるほど、日本における歴史が古い。昆布は乾燥させることで日持ちするため、早くから全国に流通していた。鎌倉時代には松前地域と本州の間を昆布の交易船が行きかい、室町時代には昆布が蝦夷地(北海道)から越前国(福井県)の敦賀を中継して、京都・大阪まで運ばれた。江戸時代以降、昆布漁が盛んになると、消費量も増え、北前船を使って下関から瀬戸内海を通る西まわり航路で、昆布が運ばれるようになった。そして、同時期に漁獲量の高かったニシンやさけを使用して昆布巻きがつくられ、北海道の郷土食になったと言われる。
製造方法
昆布とかんぴょうを水でもどす。魚を昆布で巻き、かんぴょうで縛る。煮ると昆布が膨らむため、あまりきつくないように結ぶ。砂糖、醤油、酒で昆布巻きを煮て完成。さけやニシンを巻くことが多いが、地域によってはシシャモやチカの素焼き、豚肉を巻くこともある。
保護・継承の取り組み
今では北海道に限らず、全国で食されている。家庭でつくることも多いが、スーパーマーケットでも手軽に入手できる。
作り方については、道内の企業や組合による発信だけでなく、一般的な料理本やウェブサイトにも掲載され、広く知られている。
主な食べ方
昆布は語呂が「よろこぶ」に通じ、「養老昆布」という文字があてられた。不老長寿の願いが込められたり、「子生(こぶ)」という当て字から子孫繁栄の意味が込められたりと縁起担ぎに正月によく食されている。
また、昆布巻きの具として使われることが多いニシンは、北海道の厳しい冬を乗り切るための保存食として用いられていた。道内の人にとって、命をつなぐ親のように大事な食材だったため、語呂合わせで、「二親(ニシン)」とも書いたという。干物に加工した身欠きニシンを使った昆布巻きは、伝統的な保存食として重宝されてきた。