枯露柿(ころがき)
山梨県枯露柿(ころがき)
分類(大)
農産
分類(小)
その他農産加工品
主な使用食材
渋柿
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主な伝承地域
甲州市塩山松里地区、南アルプス市
食品概要(特徴・種類)
枯露柿は、大きめの品種の柿を使い、水分が25~30%ぐらいになるまで長期間干して乾燥させた干し柿である。表面には結晶化した甘み成分が白く粉を吹き、その隙間から飴色の果肉がのぞく。しっとり肉厚で羊羹のような食感と凝縮された甘さをもち、干し柿の最高峰とも呼ばれる。そのため年末年始の贈答品として人気が高い。
乾燥しつつもしっとりと仕上がるその理由は、日光を十分に浴びながら朝夕の冷たい風で湿度を保ち、じっくり熟成されるため。枯露柿のこの美しさとおいしさは、松里地区ならではの風土と、長い生産の歴史の賜物といえる。
甲州市塩山の松里地区ではまた、毎年11~12月初旬頃、民家の軒先や庭で枯露柿が吊るされ、柿のオレンジ色のカーテンのように美しく彩られる。この姿は晩秋・初冬の甲州市の風物詩となっている。
なお、同じ干し柿でも水分を50%前後残すものを、あんぽ柿と呼ぶ。枯露柿より色鮮やかで、ゼリーのような食感が特徴である。
歴史・文化、関連行事
武田信玄の奨励により、保存食として生産が広まったとされる枯露柿は、江戸時代には甲州名産の一つに数えられ、幕府への献上品にも使われた。
皮をむいた柿を並べて棚干しする際、日光がまんべんなく当たるよう、ころころ転がして位置を変えるところから、その名がついたとされる。
使用するのは主に甲州市産の甲州百目柿。元々は「甲州百匁柿」と呼ばれ、百匁(ひゃくもんめ/約375g)の名前の通り、1個400gを超える大きな渋柿である。
1965(昭和40)年頃まで、柿の皮むきは近所の女衆が大勢集まっての夜なべ仕事とされていた。夜中の12~1時頃まで行った後、小豆粥をみんなで食べて解散したという話も伝わる。
製造方法
11月上旬、赤くなった柿の柄の部分をT字に残して収穫し、ヘタなどを取り除いて皮をむく。燻蒸した後、タコ糸やビニール紐を輪っかに結び、T字の柄をかけて柿を結ぶ。竿に吊るし、カーテンのように約14~20日ほど、軒先で天日干しする。あんぽ柿(表面が乾き、中が柔らかくなった状態)になったら、果肉と種をつなぐ繊維を切り離すイメージで軽く揉み、竿から下ろして平置きし、さらに天日干しする。以降、7~10日間ほど、揉み作業ところころと転がす作業を毎日繰り返しながら乾燥させ、形を整えていく。十分に乾燥し、表面に白い粉が吹いたら出来上がり。
保護・継承の取り組み
江戸時代後期の屋敷構えをそのまま歴史公園として活用する旧高野家住宅(甘草屋敷)でも、毎年枯露柿が干され、その様子を誰もが見学できるようになっている。
特産品を扱う店舗などで売られ、木箱に入った贈答用のものが多く並ぶが、インターネットで比較的気軽に購入できるものもある。
主な食べ方
深みのある甘さを、そのままお茶請けで楽しむのが一般的だが、おせち料理の「なます」に入れて「柿なます」にするほか、硬くなったものは天ぷらにすることもある。
アレンジレシピ:枯露柿入りサラダ
材料
枯露柿
6個
ベビーリーフ
1袋
ミニトマト
6個
黄パプリカ
30g
塩・粗挽き黒こしょう
各適量
エキストラバージンオリーブ油
適量
作り方
枯露柿は薄切りにする。ミニトマトは横半分に切り、パプリカは斜め切りにする。
器に1の具材を彩りよく盛り、塩・粗挽き黒こしょうをふり、オリーブ油をまわしかける。