甲州小梅の漬物(こうしゅうこうめのつけもの)
山梨県甲州小梅の漬物(こうしゅうこうめのつけもの)
分類(大)
農産
分類(小)
漬物
主な使用食材
甲州小梅、赤しそ、塩、酢
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主な伝承地域
甲府市
食品概要(特徴・種類)
山梨県の在来小梅を総称して、甲州小梅と呼ぶ。ぶどうや桃などのイメージの強い山梨だが、小梅もまた生産量は日本一。昼は日がよく照り、夜は冷え込む甲府盆地特有の気候が小梅の生育に適しているため、種が小さく果肉は厚く、一つ4~6gと小粒ながら食べごたえのある小梅が育つ。
甲州小梅漬と呼ばれる漬梅や、甲州小梅ぼしとして知られる梅干しのほか、梅酒やワイン、ジャムなど、色とりどりの加工品を生む甲州小梅だが、なかでも青梅を使い、完熟ものにはない食感を楽しませる漬梅、甲州小梅漬はカリカリ小梅の別名でも親しまれ、県内の小梅の加工品では圧倒的に人気が高い。
未熟果の青梅を使うカリカリ小梅はひと足早く、5月初旬に摘み取った実を漬け込むが、甲州小梅ぼし等に使われる実の収穫は例年、6月の上旬頃。収穫前の梅林の白い花咲く景色の見事さは、花数の多さから。甲州小梅の木は花数が多く自家結実性もあるので、1本でもたくさんの実をつける。
歴史・文化、関連行事
山に囲まれる山梨県では保存食への意識が高く、甲州小梅は江戸時代後期にはすでに山梨の特産品として記録が残る。養蚕業が衰退するなか、荒廃した桑畑を梅畑に変え、梅の生産がより盛んになったとされる。
昨今の農業従事者の高齢化や宅地開発等により減産傾向ではあるが、今もなお山梨県は日本一の小梅の生産量を誇っている。
昔懐かしい酸っぱくて、しょっぱい漬梅や梅干しだけでなく、味わいや食感をときどきで見直し、健康意識の高まりに応じて保存性を担保しながら塩分濃度を控えるなど、時代を見極めつつの改良が続けられている。
製造方法
青梅のうちに収穫した甲州小梅をたっぷりの水につけてアクを抜き、ヘタをとって青みが増すまで塩でもむ。よく洗って乾かした卵の殻を袋に入れ、粗く砕いて容器の底に入れておき(卵殻カルシウムを結合させることで、小梅に内在し柔らかくしようとするペクチンの働きを阻害し、カリカリ食感を出すため)、梅には同重量の重石をのせて白梅酢が上がるまで冷暗所に置いておく。塩もみしてアク抜きをした赤しその葉を酢や焼酎とともに梅に加えてひと混ぜし、冷蔵庫で保存する。1か月ほどたつと味がなじんで食べ頃となる。
なお、甲州小梅ぼしの場合は完熟した甲州小梅を使い、卵殻は入れずに干す工程が加わる。
保護・継承の取り組み
製造会社それぞれに趣向を凝らした甲州小梅の製品が店頭に並び、インターネットでの販売も行われている。一般的な漬梅や梅干しにとどまらず、おやつ感覚でサッと携行することのできる個包装の製品や、ワインやジャムなど、人々の嗜好、食のスタイルの多様化に寄り添った、新しい視点での製品開発も活発である。
なお、醤油、昆布、かつお節などを使った即席漬けは2~3日後には食べられるようになり手軽なため、家庭でも漬けられることが多い。
主な食べ方
弁当に入れられ、カリカリと潔い食感でアクセントを添える甲州小梅の漬物。白いご飯のお供にそのまま食べられるだけでなく、程よい酸味とフルーティーな甘み、何よりそのカリカリとした食感がスウィーツに向くとして、刻んだカリカリ小梅入りの生チョコレートなどもつくられている。
アレンジレシピ:甲州小梅とチーズのオリーブオイル和え
材料
甲州小梅
6個
プロセスチーズ
40g
エキストラバージンオリーブ油
適量
花穂紫蘇
適量
作り方
甲州小梅は細かくきざみ、プロセスチーズは1㎝の角切りにする。
ボウルに1、オリーブ油を入れて和える。
器に盛り、花穂紫蘇を飾る。