
甲州味噌(こうしゅうみそ)

発酵食品
山梨県甲州味噌(こうしゅうみそ)
分類(大)
農産
分類(小)
醤油、味噌、その他調味料
主な使用食材
大豆、米麹、麦麹、塩
※ダウンロード可能な画像を使用する場合は「リンクについて・著作権」をご一読の上、
出典を農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」と明記し、ご利用ください。
なお、画像提供元の記載がある場合は画像提供元も併せてご記載ください。
画像提供元の記載例
【画像提供元の記載がない場合の記載例】
出典:農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」
【画像提供元の記載がある場合の記載例】
出典:農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」
画像提供元:〇〇〇
主な伝承地域
甲府市、韮崎市、山梨県全域
食品概要(特徴・種類)
どの穀物の麹を使って発酵させるかによって、味噌は大きく三つに分類される。米麹を使う米味噌(主に東北・関東地方)、麦麹を使う麦味噌(主に九州・四国・中国地方)、大豆麹を使う豆味噌(主に愛知県の八丁味噌)の三つだが、どれにも当てはまらないのが甲州味噌で、米と麦の2種類の麹を使って発酵させる、全国的にも珍しい味噌である。米麹と麦麹を概ね半量ずつ使って仕込まれることが多いが、その割合は製造会社や製品等によっても異なる。
さっぱりとした米味噌の風味に麦の香ばしいコクをプラスしたまろやかな味わいは、2種類の味噌のいいとこ取り。山梨の郷土料理ほうとうには、特によく合う。たんぱく質だけでなく発酵により生成されるアミノ酸、ビタミン類を豊富に含んだ味噌が、種類豊富に使う野菜やほうとう麺を、体にもおいしくまとめあげる。
歴史・文化、関連行事
標高が高く地質的にも稲作に適さない山梨県では、大量の米を手に入れること自体が難しかった。大麦もまた主食として消費されたため味噌をつくる麹用に多くは使えず、それを補い合うように、米麹と麦麹の両方を使った味噌づくりが行われるようになったとされる。
元々は、米麹と麦麹を同時に加えて発酵させたものだけを甲州味噌と呼んでいたが、最近は米麹と麦麹で別々に味噌を仕込み、客の求めや料理の種類に応じて2種類の味噌の配合を変えブレンドしたものも、甲州味噌と呼ぶようになった。
製造方法
大鍋に湯を沸かし、指で簡単につぶせるぐらいの柔らかさになるまで大豆を煮る。煮た大豆を冷ます間に、米麹と麦麹を塩と混ぜておく。十分に冷めた大豆を塩と2種類の麹の中に入れ、大豆のゆで汁を加えながら程よい硬さになるまで練る。こぶし大の味噌玉にまとめ、木桶に全て投げ入れる(投げ入れるのは空気を抜くため)。表面を平らにならし、和紙で覆って涼しい蔵に保管する。自然の発酵力に任せて、そのまま次の冬まで。1年後に出来上がる。
保護・継承の取り組み
甲府市や韮崎市を中心に、多くの製造会社・味噌蔵で、昔ながらの製法により甲州味噌がつくられている。その中には味噌づくりのワークショップを開催したり、ラジオなどの各種メディアでコーナーを担当し、情報発信を行うほか、味噌づくりの歌や絵本をつくるなどし、甲州味噌の伝承に力を注ぐ経営者もいる。
また、完成品の味噌だけでなく、甲州味噌の手づくりキットなども売られ、店頭・インターネットで気軽に購入できる。
主な食べ方
毎日の味噌汁や郷土料理「ほうとう」に。また、野菜や肉を炒めたり、焼きおにぎりなどにも便利に使われる。