黒豆煮(くろまめに)
京都府黒豆煮(くろまめに)
分類(大)
農産
分類(小)
豆類加工品
主な使用食材
黒豆、砂糖、塩、しょうゆ、重曹
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主な伝承地域
中丹地域、南丹地域
食品概要(特徴・種類)
黒豆煮は、醤油、砂糖、塩で煮た黒豆の豆加工品である。使用される黒豆は「黒大豆」と呼ばれ、表皮が黒色の大豆の一品種である。中丹地域、南丹地域では肥沃な土地と昼夜の寒暖差が栽培に適しており、高品質な黒豆が育つ。この地域で栽培される「丹波黒大豆」は全国的に知られている。栽培期間が半年と長いため、手間がかかることから「苦労豆」とも呼ばれることがある。黒豆は8月に花が咲き、10月に実がなり、11月に収穫される。乾燥させることで豆は楕円形から丸型に変化し、甘さが増す。お正月にはおせち料理の一部として食されることが多い。
歴史・文化、関連行事
黒豆は古事記の時代から存在していたと言われ、10世紀の「倭名類聚抄」には「烏豆(くろまめ)」として登場する。これは平安時代に栽培が始まっていたことを示唆している。16世紀の文献には宮中への献上が記載されており、宮中では正月に黒豆を食していたという説もある。江戸時代には砂糖を入れずに醤油で煮た調理法が紹介されていたが、砂糖の国産化により甘みを加えるようになった。1830年の「嬉遊笑覧」には正月に黒豆煮を特別に用意する習慣が庶民にもあったことが記されている。現在では全国的にお正月のおせち料理として食されるが、「邪気を払い災いを防ぐ」や「健康長寿の願い」が込められているとされる。
製造方法
鍋に水、砂糖、醤油、塩を入れ沸かしたものを冷ます。冷めたのちに洗った黒豆を加えて、4~5時間漬ける。火にかけ沸騰後、アクを取り除き、表面にしわができないよう差し水をしながら弱火で約8時間煮る。黒豆を煮る際に鉄くぎを入れると良いとされるが、これは釘の鉄分を利用することで、豆の退色をふせぎ、美しく仕上げることができるからである。
保護・継承の取り組み
京都市では「京の食文化-大切にしたい心、受け継ぎたい知恵と味」を“京都をつなぐ無形文化遺産”として認定しており、黒豆煮も行事食の一部として含まれている。
主な食べ方
お正月のおせち料理に含まれ、食されることが多い。