京豆腐(きょうどうふ・きょうとうふ)
京都府京豆腐(きょうどうふ・きょうとうふ)
分類(大)
農産
分類(小)
豆類加工品
主な使用食材
大豆、にがり
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主な伝承地域
京都市
食品概要(特徴・種類)
京豆腐は、京都特有の気候と風土により育まれた、1,000年以上の歴史を持つ名産品である。京都は降水量が比較的少なく、夏と冬、昼と夜の寒暖差が激しい。これらの気候条件は、良質な大豆と美味しい水を使った豆腐作りに最適であり、その食文化が根付いた。
京豆腐の特徴は3点にまとめられる。京都では良質の地下水が豊富にあり、この水を使用して豆腐は作られること。そして、通常の豆腐作りで使用されるにがりではなく、すまし粉を用いることが一般的だ。また、特に木綿豆腐においては、独自の製法により、豆腐の中に空洞が生まれることも大きな特徴である。この空洞は京豆腐特有の食感を生む。
京豆腐の製造には熟練の技が必要とされる。専門店でその伝統的な味が今も守られている。京都の様々な食文化のシーンにおいて、京豆腐は欠かせない存在となっている。
歴史・文化、関連行事
豆腐は、奈良時代に中国から日本へ伝わり、社寺の供物や貴族の食材として価値を持っていた。鎌倉時代には、肉や魚を口にできない僧侶たちにとって重要なたんぱく源となり、精進料理において豆腐の使用が広がった。江戸時代には、「祇園豆腐」が有名となり、特に八坂神社近くの茶屋で提供される豆腐の田楽が人気を博したと言われている。
江戸時代、歌川国貞によって描かれた浮世絵に「南禅寺豆腐」の記載が残る。南禅寺周辺には多くの湯豆腐店が存在しており、全国的に有名であったことが伺える。
京都の名水が豆腐作りに適しており、多くの豆腐店が良質な井戸水(地下水)を使用されることが多い。
製造方法
何度も水洗いした大豆を一晩水に浸け、注水しながら細かく砕く。粉砕した大豆を加熱し、豆乳とおからに分離させる。できたての熱い豆乳を型に入れ凝固させる。凝固に用いるのはすまし粉、にがりなどがあるが京豆腐ではすまし粉を用いるのが一般的だ。凝固に用いる材料を加えるタイミングや量、混ぜ方が非常に重要であり、職人の腕の見せ所となる。
固まった豆腐は型に入れて四角く成型され、脱水後にカットされる。カットせずにお玉ですくって作られるのはおぼろ豆腐となる。
豆腐と凝固に用いる材料をあわせてパックに入れ、密閉後にパックごと加熱し固める製造方法もあり、充填豆腐とよばれる。のど越しの良さが特徴だ。
保護・継承の取り組み
京都市内には、豆腐専門店が数多くあり、京都府豆腐油揚商工組合による、「京とうふの会」が開催されており、食べてと作り手の交流と、食文化継承を担っている。
ブランドの信頼性確保と向上を目的に、同組合による「京ブランド認定豆腐」制度も設置されている。
主な食べ方
京豆腐は多様な料理で楽しまれており、湯豆腐、肉豆腐、ぶぶ豆腐(豆乳がかかったお茶漬けのようなもの)などがあり、加工品としては、にんじん、れんこん、ごぼうなどを豆腐、山芋、水菜などの入った生地で包み揚げた飛龍頭(ひろうす)や、薄く切った豆腐をこめ油でふっくらと揚げたお揚げなどがある。