丸柚餅子(まるゆべし)
石川県丸柚餅子(まるゆべし)
分類(大)
その他
分類(小)
菓子類
主な使用食材
柚子、もち粉、砂糖、醤油
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画像提供元:〇〇〇
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主な伝承地域
輪島市
食品概要(特徴・種類)
丸柚餅子は、柚子の中身をくり抜き、味付けしたもち粉を詰めた和菓子である。表面は飴色で、爽やかな柚子の香りや上品な甘さ、柚子特有のほろ苦さが特徴。秋に収穫される旬の柚子を使用するため、製造は一年に一度しか行わない店舗が多い。お茶請けや酒のつまみとしてそのまま食されたり、茶碗蒸しやお吸い物などの料理に使われたりする。
歴史・文化、関連行事
丸柚餅子の起源は、源平時代の保存食や携帯食だったと言われる。丸柚餅子の原型が登場したのは室町時代の古文書で、当時は塩辛かったという。江戸時代になると、加賀藩前田家に仕えた料理頭の舟木伝内、その息子で加賀藩十代藩主・前田重教の御膳方、十一代藩主・前田治脩の御料理頭を務めた舟木長左衛門安信、幕末に加賀前田藩に仕えた料理人の小島為善が残した膨大な料理書に何種類もの柚餅子の製造方法が書き残されている。その中では、現在の柚餅子のように柚子の形のまま製造する丸柚餅子のことは「柚厭(ユベシ)」と記されている。また、当時の柚餅子は、献上品の一つにも数えられるほどの高級菓子だったという。丸柚餅子は長期保存ができるため、全国各地のお得意様を訪問していた輪島塗の行商人の携行食や、顧客への手土産としても重宝され、各地に広まったとされる。輪島塗の行商人は、長期にわたる行商により丸柚餅子が硬くなると、蒸し直したり炙ったりして柔らかくし訪問先で振る舞ったという。
製造方法
まず、柚子の中身を竹べらを使用し手作業でくり抜く。外皮から光が透けるようになるまで中のワタを取り「柚子釜」と呼ばれる柚子の器をつくり、蒸す。もち粉、砂糖、醤油、柚子皮等で作ったねばりの強い「餅だね」を蒸した柚子釜に詰め、蓋をしてさらに何度も蒸す。店によっては、約半年自然乾燥した後に再び蒸しあげ、艶やかな飴色の柚餅子をつくることもある。製造から常温で30日程度保存が可能である。
保護・継承の取り組み
平成22年に柚餅子総本家「中浦屋」が、石川県産の原材料にできるだけこだわり、江戸時代の料理書に記載されていた柚厭の製造方法を元に可能な限り再現するといった試みをしている。
主な食べ方
短冊切りにして、お茶請けや酒のおつまみとしてそのまま食したり、チーズのアペタイザーやサラダ、ピザなど洋食に用いられたりする。細切りにして茶碗蒸しやお吸い物、おひたしなどに使うと、素材を引き立てるという。いちょう切りにして炭火で軽く炙ったり、てんぷらにしたりする。
アレンジレシピ:丸柚餅子とチーズのカナッペ
材料
丸柚餅子
1個
カマンベールチーズ
1/2個
クラッカー
6枚
作り方
丸柚餅子はスライス、カマンベールチーズは6等分に切る。
クラッカーに1の丸柚餅子、カマンベールチーズをのせて、器に盛る。