メカブとろろ
宮城県メカブとろろ
分類(大)
水産
分類(小)
海藻製品
主な使用食材
メカブ
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主な伝承地域
三陸地域
食品概要(特徴・種類)
青森県南部から岩手県沿岸、宮城県東部まで、約600kmにも及ぶ日本有数のリアス式海岸が続く三陸海岸は、古くから「世界の三大漁場」の一つと言われ、豊富な魚介類を獲ることができる。海と山が複雑に入り組む地形には、長い年月をかけて降り注いだ雨水が地中深くに浸透し、ミネラル豊富な水として内湾に流れ込み、沖では寒流と暖流が交わることで栄養豊かなプランクトンが育つ。
そうした資源に恵まれた三陸海岸で栽培されたわかめから取れるのがメカブである。メカブとは、わかめの根元付近に作られるひだ状の部位(胞子葉)で、中では「遊走子(ゆうそうし)」と呼ばれるわかめの種が作られる。遊走子は粘り気に富み、これによってメカブ特有のネバネバした食感が生み出される。以前は、わかめを加工する際に根元のメカブ部分は廃棄されていたが、それを生かすために細かく刻んで糸をひかせとろろ状にするメカブとろろが考案され、広く食されるようになった。
現在、市場に出回るほとんどのメカブが養殖によって育てられている。養殖わかめは3~4月頃が採取時期だが、メカブは2月半ば頃から出荷される。三陸産のわかめは、他のわかめと比べても肉厚で弾力があり、歯触りが良いのが特徴。三陸産のわかめで作ったメカブとろろも、ツルッとした粘りのある食感とシャキシャキした歯触りが心地よい。
最近では、その味や食感だけでなく、特徴的なネバネバに含まれるフコイダンとアルギン酸にコレストロールを体外に排出するデトックス効果や免疫力を高める効果があると注目を集めている。
歴史・文化、関連行事
メカブはわかめとともに奈良時代には食されていた記録が残っている。宮城県では、1953年に女川湾で養殖が始められ、1956年に量産化に成功。1965年に入り生産量が飛躍的に伸びた。現在でも岩手県に次いで全国2位の生産量を誇っている。わかめの量産に伴い、食べやすく、ご飯に合わせたり、味噌汁や酢の物に加えるなど、使い勝手のよいメカブとろろは急速に普及していった。
製造方法
収穫したメカブは、ひだの部分を流水で丁寧に洗い、鮮やかな緑色になるまで軽く茹でる。茹で過ぎてしまうと渋みが出るので注意する。また、メカブを選ぶときは、ひだが大きく、光沢があり、濃い茶色のものを選ぶのが良い。湯通ししたメカブは、千切りやたたきにすることで粘り気が強いメカブとろろになる。
保護・継承の取り組み
最近では冷凍保存され、一年中市場に出回るようになったため日常的に食べることが増えた。また、三陸産のメカブとろろとして全国にも出荷されている。
宮城県では、水産業の震災からの復興と、県内水産物の消費拡大を目指し、2014年に、毎月第3水曜日を「みやぎ水産の日」に定め、PRイベントの開催やレシピの発信、県内販売店と連携した販売促進などに取り組んでおり、メカブとろろをはじめ、三陸海岸で獲れる季節の魚介類の魅力を発信している。ちなみに水曜日の「水(すい)」、第3の「3(さん)」から、毎月第3水曜日を「みやぎ水産の日」に定めた。
主な食べ方
千切りやたたきにしたメカブとろろは、醤油を少しかけて温かいご飯にのせて食べるのがおすすめ。好みによっておろししょうがや、にんにくを添えても良い。また、酢の物やサラダ、味噌汁、うどんなどの麺類に入れることも多い。