味噌餅(みそもち)
山形県味噌餅(みそもち)
分類(大)
その他
分類(小)
菓子類
主な使用食材
餅米、三温糖(砂糖)、黒胡麻、くるみ
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主な伝承地域
置賜地域
食品概要(特徴・種類)
味噌餅は、米沢市や長井市など、山形県南部の置賜地域に伝わる郷土食。つきたての餅に味噌と砂糖を煮詰めたものを加えてさらにつき、のし餅状にしたもので、ごまやくるみ、大豆を入れることも多い。また、ときには青豆やシソを混ぜたり、味噌を豆味噌にするなど、バリエーション豊かにつくられる。
焼くだけで程よい甘みと味噌の風味が香ばしく立ち、そのまま何も付けずに食べられる。子どもたちにとっては冬のおやつの定番であり、味噌の塩気が酒を誘うため、大人には酒肴としても好まれる。
現在も家庭でつくられることはあるが、市販の味噌餅は11月頃から3月頃までの期間限定販売の場合が多く、時期になると味噌餅の販売開始を知らせるちらしが餅屋やスーパー、道の駅の店頭などに貼られ、ホームページにも早速アップされて、冬の足音を感じながら人々がこぞって買い求める。
歴史・文化、関連行事
土地柄、冬は雪に閉ざされて外出もままならない置賜地域の農家はかつて、冬を前に自分たちで育てて収穫した餅米や自家製の味噌に砂糖やくるみを合わせ、味噌餅づくりを行っていた。すでに味が入っているため食す際は焼くだけとあって、忙しいときにも囲炉裏でさっと炙って腹を満たすことができ、重宝された。餅は昔からご馳走であり、その中でも味噌餅は、大人にも子どもにも喜んで食べられてきた。
ちなみに置賜は餅屋が多く、定食屋などではご飯類や麺類に加え、餅のメニューを出す店が少なくない。頬張ると「ホッとする」という、味噌餅は置賜地域の人々の大切なソウルフードだ。
製造方法
餅米は洗って一晩浸水させる。翌日、ざるで水気を切って蒸しあげる。その間に、味噌と砂糖を鍋に入れ、最初は中火、煮詰まり始めたら弱火にして、少し黒っぽくぷくぷくするまで煮詰める。蒸しあがった餅米に煮詰めた味噌を加えて餅をつき、できあがる寸前に黒胡麻やくるみを少しずつ入れてつきあげる。ビニールなどを敷いた容器に流しこみ、冷えるのを待って切り分ける。
ポイントは、味噌を煮詰める際に火は止めず、焦がさないように絶えずかき混ぜることと、蒸した餅米に熱々の味噌を合わせること。なお味噌は、必ず加熱すること。加熱しないと麹菌の酵素の働きで、餅が硬くならない。
冷蔵、冷凍すれば1~2か月保存がきく。
保護・継承の取り組み
JAや地元の味噌・醤油メーカーなどにより、味噌餅づくりのワークショップが開催されている。
また既製品の味噌餅が、餅屋やスーパー、道の駅などで11月頃から3月頃にかけて販売されており、インターネットでの購入も可能。最近は年間通して販売する店もあり、こちらもインターネット販売が行われている。
主な食べ方
網やオーブントースターなどで焼き、何もつけずにそのまま食べられる。味噌の塩気や香ばしさ、砂糖の甘み、くるみやごまの香ばしさで十分美味しい。