水戸の梅(みとのうめ)
茨城県水戸の梅(みとのうめ)
分類(大)
その他
分類(小)
菓子類
主な使用食材
赤紫蘇の葉、白いんげんまたは小豆、砂糖
※ダウンロード可能な画像を使用する場合は「リンクについて・著作権」をご一読の上、
出典を農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」と明記し、ご利用ください。
なお、画像提供元の記載がある場合は画像提供元も併せてご記載ください。
画像提供元の記載例
【画像提供元の記載がない場合の記載例】
出典:農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」
【画像提供元の記載がある場合の記載例】
出典:農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」
画像提供元:〇〇〇
主な伝承地域
県央地域(水戸市)
食品概要(特徴・種類)
白あんを包んだ求肥を、梅酢などに漬け込んだ赤しそでくるんだ水戸の銘菓。白あんではなく小豆のこしあんを使う場合もある。偕楽園の梅をモチーフに明治時代に誕生し、大正時代には皇室に献上されたこともある。口にすれば甘酸っぱく芳醇な香りと、あんの豊かな甘さが楽しめる。
歴史・文化、関連行事
水戸藩第九代藩主、水戸斉昭によって1842年に造園された、日本三名園として知られる水戸の偕楽園。「余(斉昭)が衆と楽しみを同じくするの意なり」と、「孟子」の一節「民と偕(とも)に楽しむ」から名付けられた。筑波山、千波湖、城南の景色を一望できるこの場所を庶民も楽しめる場となるようにと、春の訪れを告げ前向きな気持ちにさせてくれる梅の木を数千本も植えたとされる。また、斉昭は、酸味があり喉の渇きと疲れを癒す梅の実を兵糧とし、有事の備えとした。偕楽園は明治維新後に日本初の指定公園の1つとなり、梅の名所として全国に名が知られるようになった。約100品種、3,000本もの梅が咲き誇る2月中旬からは120回以上もの歴史を誇る「水戸の梅まつり」が開催されている。
銘菓水戸の梅の由来は様々で、斉昭ゆかりの菓子が原型という説がある。偕楽園の梅をモチーフにした現在の物が開発されたのは明治20年代頃とされ、以来120年以上、水戸を代表するお菓子として愛され続けている。
製造方法
収穫したばかりの新鮮な赤しその葉を塩漬けし、さらに梅酢に漬け込み数か月寝かせる。その後、蜜での煮込みや漬け込みを繰り返す。滑らかに練り上げた白あんもしくは小豆のこしあんを作り、柔らかな求肥で包んで、その上から漬け込みの済んだ赤しそでくるむ。仕上げにシロップを塗って完成。シロップの代わりに砂糖をまぶす場合もある。
保護・継承の取り組み
水戸市は観梅の名所として全国的に知られているが、食用の梅の果実の流通量は少なかった。そのため2012年から「水戸の梅産地づくり事業」に着手し、2017年に初のブランド梅であるふくゆいを出荷した。事業の一環として水戸産の梅の果実ふくゆいを活用し、新たな梅の銘菓を作る「水戸梅お菓子プロジェクト」も実施。ふくゆいを使ったお菓子が続々と開発されており、水戸の梅にもふくゆいを使った物が誕生している。
主な食べ方
家庭でお茶請けとして食べられる他、水戸のお土産として観光客にも人気。甘酸っぱさが魅力で日本茶によく合う和菓子だが、メーカーは、暑い季節に冷やしたり、かき氷やバニラアイスと一緒に食べたりすることも提案している。