南部茶(なんぶちゃ)
山梨県南部茶(なんぶちゃ)
分類(大)
その他
分類(小)
飲料
主な使用食材
南部茶
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主な伝承地域
南部町
食品概要(特徴・種類)
南部茶は、穏やかな陽ざしと富士川流域の豊かな水の恩恵を受ける山梨県最南端の町、南部町で栽培される茶で、県産茶の統一ブランド、「甲斐のみどり」の名でも知られる。
土地の約8割が山間部という山梨県にあって、南部町は標高が150m未満と低く、温暖なうえ、雨にも恵まれている。そのため甘くやわらかなうま味と上品な香りの南部茶が育まれたとされる。
1955(昭和30)年頃、当時、品種登録されたばかりだった〝やぶきた種〟を導入。隣接する茶所、静岡のやぶきたが深蒸しなのに対し、南部茶はやや浅蒸しで仕上げるため、スッキリとした味わいで、いろいろな食材・料理と合わせやすい。
煎茶、棒ほうじ煎茶、和紅茶などの茶葉やペットボトルの清涼飲料だけでなく、厳選した手摘みの一番茶の新芽だけを使い、南アルプスの天然水で長時間かけて低温抽出した南部茶プレミアムティー「甲斐のきらめき」なども登場している。
歴史・文化、関連行事
富士川やその支流に発生する霧、温暖多雨の気象条件などが茶生産に適していることから、早川町、富士川町、市川三郷町、身延町、南部町からなる峡南地域を中心に、古くから茶の栽培が行われてきた。戦国期の河内領主・穴山氏の文書には、贈答用として茶が用いられていたことが記されており、室町時代には既に茶栽培が行なわれていたことがうかがえる。
南部町での本格的な茶栽培は、1955(昭和30)年頃に〝やぶきた種〟が導入されたところから。昭和40年代にかけて茶の加工場が複数整備されるなど、商業的生産が拡大し、昭和の終わりから平成のはじめには200ha以上の栽培面積となった。
なお、1973(昭和48)年には、県産茶の統一ブランドとして当時の田辺知事により「甲斐のみどり」と命名され、広く親しまれるようになった。
製造方法
摘んだばかりの茶葉を圧力をかけずに蒸して、酸化を止める。続いて、粗揉(そじゅう)、揉捻(じゅうねん)、中揉(ちゅうじゅう)、精揉(せいじゅう)という工程を数時間かけて行い、茶葉を揉みながら乾燥させる。これは煎茶などの原料になる。
摘んだ茶葉は当日中に〝荒茶〟と呼ばれる、形状や大きさの揃わない状態となり、以降、部位別に仕分け、大きさを揃えるなどの作業を行うことで、ようやく製品となる。
保護・継承の取り組み
南部茶をテーマにしたグルメスポット「道の駅なんぶ」を2018(平成30)年にオープン。食事処では南部茶そばや南部茶クリームを使ったパフェなどを提供し、ショップではいずれも南部茶を使ったプリンやドーナツ、クッキーやふりかけなど、オリジナル開発商品を販売。大型連休などを利用したフェア他も毎年開催し、限定メニューの開発・提供などを織り交ぜて、南部茶のPRを行っている。
主な食べ方
一度沸騰させた湯を人数分の湯飲み、または湯冷ましに入れ、60℃くらいに冷ましておく。急須にたっぷりの茶葉を入れ(3人なら大さじ2杯くらい)、冷ましておいた人数分の湯を静かに注ぎ入れる。ゆっくりと茶葉が開くのを待ち(約1分)、最後の一滴まで残さず、各湯飲みに注ぐ。
また、お茶を入れた後の茶殻にポン酢しょうゆなどをかけて食べることもある。
アレンジレシピ:南部茶がゆ
材料
南部茶
大さじ1
水
700ml
米
1/2カップ
塩
適量
作り方
米は洗ってざるにあげる。南部茶はだしパックに入れる。
鍋に1を入れて火にかけ中火で煮立て、煮立ったら弱火にし、お茶の香りと色が十分に出たら袋を取り出す。
ふたをして弱火で30~40分、なるべくかきまぜずにゆっくりと炊きあげて、塩で味をととのえる。
器に盛る。